台湾2.28時局講演会が開催

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講演会 会場の様子
講演会 会場の様子

台湾独立建国聯盟日本本部が主催した台湾2.28時局講演会が3月2日、午後2時より都内ホテルで開催された。後援は、在日台湾同郷会、在日台湾婦女会、メルマガ「台湾の声」、日本台湾医師連合、日本李登輝友の会など全11団体。会場は満席となった。

会場はいっぱいだった
会場はいっぱいだった

冒頭、参加者全員による黙祷が行われ、次いで台湾独立建国聯盟日本本部王明理委員長が挨拶した。王委員長は、2.28に毎年講演会を実施してきた背景について、台湾人の真の独立国家がいまだできていないこと、歴史から学んで将来を展望する必要があることを挙げながら、1947年2月28日の中国国民党政権による大弾圧、その後の38年間に及ぶ戒厳令下における白色テロの恐怖を振り返った。

台湾独立建国聯盟日本本部王明理委員長
台湾独立建国聯盟日本本部王明理委員長

「1945年の敗戦により、台湾から日本軍が去った後、中国・国民党軍がやってきて台湾を植民地にしてしまった。その後、(国民党軍が)1949年に毛沢東に敗れて台湾に全面逃亡してきて以来、1987年の戒厳令解除まで続いた台湾人への迫害や弾圧を白色テロといいますが、この言葉はフランス革命時に生まれたもので政府による市民に対する恐怖政治を指します。今日はこうしたなかで苦労された蔡焜霖先生がお越しです。滅多に聞けない貴重な話を聞かせていただきたいと思います」(王委員長)

「交響詩228」の作曲家、山口大学河津清名誉教授
「交響詩228」の作曲家、山口大学河津清名誉教授

続いて、2.28事件を知り、いてもたってもいられず作ったという「交響詩228」の作曲家、山口大学河津清名誉教授が挨拶した。

蔡焜霖氏
蔡焜霖氏

講演(講師)は、知日派で司馬遼太郎の紀行文集『街道をゆく-台湾紀行』で案内役を務めた著名人、蔡焜燦氏の弟、蔡焜霖氏だった。蔡氏が登壇すると満席の会場から大きな拍手が起きた。蔡氏は「台湾の白色テロ1950年代―その実情と現代における意義」と題し、約90分、時にジョークを交えながら、その苦難の生涯を披露した。

1950年9月、その2年前、高中2年(17歳)の時に参加した「読書会」を理由に逮捕され、数カ所の拘置所をたらいまわしにされたあげく、懲役10年の刑に服すことに。9年以上入獄した「火焼島(緑島)」での体験談は、「白色テロ」の理不尽さを強烈に印象づけた。また、刑を終えた後の進学や就職での不当な差別にもかかわらず、事業で成功し、もしくは組織で評価を獲得していく蔡氏の不屈の精神に参加者は驚嘆させられていた。

金美鈴さん
金美鈴さん

質疑応答後、金美鈴さん(評論家)が登壇した。金さんは、60年安保で知られる岸信介元総理大臣と蒋介石元総統との外交裏話を披露し、台湾独立のチャンスは蒋介石元総統によって葬られたといったエピソードを交えながら「日本人の皆さん、2.28の集会をはじめてからこれまで少しずつ努力を続けてきた結果、今日、これだけの方々が集まってくださいました。私たちは、日本にとって台湾はとても大切な国だということを(申し上げてきましたし)、日本人が目覚めてくれるのを待ち続けて来ました。今後も待ち続けたいと思います。幸い、日本は安倍政権になりましたので期待しております。次の台湾総統選では『日本人もこの選挙を応援しているよ』というメッセージを是非とも届けて欲しいと思います」と結んだ。

黄文雄前台湾独立建国聯盟日本本部委員長
黄文雄前台湾独立建国聯盟日本本部委員長

閉会の挨拶は、黄文雄前台湾独立建国聯盟日本本部委員長だった。

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