欧米をはじめとする世界の最高峰で活動し、数々の賞を受賞してきた台湾人グラフィックデザイナー・陳彦廷氏の個展が、福岡県太宰府市の「太宰府館」で開催され、6日に記念セレモニーが開かれた。記念セレモニーには、主催の福岡佛光山寺の吉沢浩毅会長や覚岸法師ら関係者をはじめ、約50人が訪れた。福岡佛光山寺の満浄法師は「陳彦廷さんのような素晴らしい新鋭デザイナー達が作品の足跡を残せるよう私達もサポートしたい。優秀なデザイナーが来福するのは喜ばしいこと。陳さんには今後の活躍を期待したい」と激励した。
陳彦廷氏は台湾・基隆市生まれでアメリカの大学院へ国費留学しニューヨークの学校を卒業。現在、台湾科技大学の講師や台湾・誠品書店の常駐作家を務めている。作品はこれまでグラフィックデザイン、動画、ウェブサイトなどの分野で、国際デザイン大賞を獲得。作品はイタリア・ミランの家具展、香港営商ウイーク、東京デザイナーズウイーク、ポーランド国際ポスター展など、多数の国際展覧会で展示されている。
「設計の本質」と銘打った展示会は、計画と準備に半年かかったと言う。協賛となった中華航空・九州山口地区支店の曽煜屏支店長は「陳氏は年齢的に若いのに自分の夢がはっきりしており、目標のために着実に歩んでいる。今後の陳氏の世界的な活躍をさらに楽しみにしている」と話した。
陳氏は「今回の開催にあたって、関係者の皆さんに感謝したい。以前、太宰府を訪れた時、文化の深さと歴史の伝承を感じて、私の『個展』の場として太宰府の地を選んだ。福岡は食べ物も美味しく、人も暖かく、印象深い町だ。アメリカに留学中、西と東の異なるビジュアルと技法を混合させた経験から、デザインには国境がないということが分かった」と熱く語った。また折り紙を切って文字を作る「切り絵」も陳さん自身が披露し、数分で「春」という字を作ると、来場者からは拍手が沸いた。その他、女性演奏者による二胡の演奏をはじめ、会場では抽選会も開かれ、中華航空から台北〜福岡無料航空券など豪華賞品が出品された。