福岡市で福岡佛光山が主催する「日日是好日‧一筆字茶禪心靈饗宴」と題した交流会が開かれ、台湾貿易センター福岡事務所の林淑恵所長ら、福岡在住を中心に様々な年代の約60人が出席した。書のみならず台湾に通じるお茶の文化なども共有することで、生命の価値を再認識するのが主な狙いだ。美しい琴の演奏が流れる会場には、味わいのある筆の「観自在」「清浄心」「日日是好日」の書が並び、空間を彩った。
台湾はお茶文化でも知られるが、今回の交流会では、お茶の「甘さ」「芳醇な香り」の中に精神面での安寧や平常心、清らかな心、日々の大切さ、有り難さを見つめ直す機会とも捉えている。「高山流水」「漁舟唱晩」といった演奏や覚勝法師のお経が響きわたり、緩やかなが時間が演出。豊かな音が溢れる空間で、お茶を口にしながらそれぞれの人生について思いに耽り、中には深い感慨を覚える参加者もいた。
満謙法師は、十数年前の旅の話を引き合いに出し、欧米人の禅に対する考え方について述べた。「欧米では言葉は違うものの、宗教的な交流が引き継がれている。『和を以て貴しとなす』という考え方は、海外交流にあたっても重要であり、特別な意味を持つ」と述べた。ある参加者は「貴重な時間だった。茶や禅の世界は自分の人生や時間を見つめ直すうえで非常に重要だと改めて認識した」と述べた。
福岡佛光山では、「書や茶の文化は人々の心の『本質』を捉えている。我々は心の『真髄』を見つめることで、人々の心の平静や平和を願っている。平常の時間の中からでも自分を認識し、心を大切にし、親孝行をするという基本を見つめ直し、清らかで素晴らしい生活を送って欲しい」としている。訪れた参加者達は茶と書の文化に浸ることで、安らぎの満ち溢れた時間を過ごした。