『天空からの招待状』で台湾の今を空から一望!
福岡国際映画祭の台湾映画特集でも公開された注目の全編空撮ドキュメンタリー映画『天空からの招待状』。齊柏林監督は同映画祭に合わせて来日し、9月14日にはシネマート六本木にて試写会を開催。12月の日本一般公開を前に同映画に対する想いを語った。
映像の中に台湾の美しい風景のみならず、台湾が現在置かれている環境などの問題点も映し出している同映画について「同映画は台湾を描いているが、この問題は日本、そして世界に通じるものである。単なる批判ではなく、皆さまへ訴えかけるメッセージとして作成した」と語る齊監督。この映画を観て自国の問題点に気が付かされた市民からは政府に様々な声掛けが行われ、実際に国も改善に向け動き出したケースもあるという。同映画で描かれた問題点は齊監督の言うとおり、台湾に留まらず日本人の私たちが感じるものも多い。便利な生活がもたらす自然への悪影響は留まる事なく進んでいることを、同映画を通して視ることが出来る。
一方、日本公開に合わせ、日本語版のナレーションを担当したのは俳優の西島秀俊さん。齊監督は「日本公開では日本に合わせたやり方を重視した。西島さんのナレーションも私が決めたわけではないし、日本語も分からないが、彼の声を聞いたとき、『素晴らしい!作品を表現してくれている』と感じた」と話している。
天空からの招待状
日本公開情報
12月20日よりシネマート新宿、六本木、心斎橋ほか全国順次ロードショー
製作総指揮:ホウ・シャオシェン、監督・撮影:チー・ポーリン、
音楽:リッキー・ホー、日本語版ナレーション:西嶋秀俊
2013年/台湾/93分/原題:看見台湾
-紹介文-
同映画は台湾での公開時、観客動員数100万人以上、興行収入7億円を記録し口コミで話題が広まり3か月半以上のロングラン公開、2013年度台湾興行成績第3位を獲得し大ヒットを記録した。空撮カメラマンとして長年航空写真を撮り続けて来た齊柏林監督が、全編空撮という手法で台湾の現在をありのままに見つめたドキュメンタリーで、台湾ドキュメンタリー映画史上最高額となる3億3500万円をかけて製作。山や海、田園といった美しい自然の風景のみならず、工場の煙突から吐き出される煙や、廃水が流れ出る河川といった現実も捉え、農作業や祭りを楽しむ人々の暮らしも追っていくことで、台湾の今を映し出していく。製作総指揮にホウ・シャオシェン、音楽に「セデック・バレ」のリッキー・ホー。日本語版のナレーションは俳優の西島秀俊。
監督/撮影:齊柏林 チー・ポーリン
1964年台湾・台北生まれ。台湾の「国道新建工程局」の空撮カメラマンとして長年航空写真を撮り続けたカメラマン。環境保護の提唱人でもある。今回が監督デビューだったにも関わらず2013金馬奨で「最優秀ドキュメンタリー賞」受賞、2013金馬奨「オリジナル作曲賞」にもノミネートされた。