九州国立博物館で開催の「故宮博物院展」にあたり、台湾から国立故宮博物院の馮明珠院長が来福。九州国立博物館内で記者会見を行った。日本のみならず台湾からも新聞、テレビメディアが取材に訪れ、注目を集めた記者会見となった。
馮明珠院長は開館予定の故宮博物館・南院について触れ、「故宮の南院は嘉義県に位置する。位置づけとしては『アジア芸術文化博物館』である。アジアの芸術文化を集めた博物館であるため、当然ながら、日本との関係を大切にしている。2015年に新しく完成する南院には、日本での博士や文化交流に関する専門家もいらっしゃる。2016年は東京国立博物館と九州国立博物館の作品も展示する予定だ。中には、大阪や伊万里からの展示物もある。詳細は現在企画中だが、10の展示会を設けようと考えている。その中で日本からは伝統的な『茶道』の文化を常設展示する予定だ。もともと故宮博物館と日本は密接な交流関係があり、さらに『アジア芸術文化博物館』の開館により台日の密接な関係を強化したいと考えている」と説明した。
その中で、台湾と日本の関わりについて「台湾の地理や自然環境は日本と似ている。地震や台風も似ている。特に、免震装置に関して、日本と技術協力を行った。南院でも日本とは技術面でも様々な面で深く関わっている」と話した。
馮明珠院長のお薦めの作品を聞かれ「今回の110件の文物はどれもお薦めだが、メディアの方々に進めたいのは『書』に関する作品。日本では700万人程、書道の愛好家がいる。特に王羲之の作品や宋の四大書家の作品は見応えがあり、お薦めしたい。絵画の作品も名作が豊富だ。門外不出作品も多く、絵画に興味がある方はこの機会を見逃さないで欲しい」と話した。開会式には500人以上の一般招待客が押し寄せ、故宮博物院展への期待感の高さを物語った。会期は11月30日までで、展覧会に関連したイベントなども福岡県内各所で開催される。