グローバル化に伴い日本企業の多くが規模や業種に関わらず海外に進出している昨今。特にアジアへの進出が目立つなか、台湾には1000社を超える日本企業が進出しているという(日本商工会議所関係筋情報)。台湾では2013年4月に行政院で「自由経済モデル区計画」が承認され、国内外企業からの投資を奨励するため貿易自由化を推進、投資障壁を排除し「自由経済モデル区」を推進している。
台湾経済部及び台北駐日経済文化代表処はこのほど、日本各地方自治体企業との連携を強めるため、日本の東京、横浜、大阪、京都を訪れ「台湾自由経済モデル区、投資誘致及び産業連携説明会」を開催した。
同会では参加した日本企業の関係者らに向け、台湾自由経済モデル区「6港1空及び屏東バイオテクパーク」の誘致環境全体における説明や、台湾投資環境及び誘致のメリット、そして台湾地方自治体の誘致環境及び産業のメリットなどについて説明を行い、日本企業の台湾進出及び投資を促した。
9月18日に東京商工会議所ビルで行われた説明会で台日経済貿易発展基金会・江丙坤理事長は「日本企業が中国・東南アジアに進出する際、台湾は1番近くて安全で安心出来るルートである。そして、過去・現在・未来共に日本の資本と技術が台湾の経済の発展に貢献している。このほど紹介した特区は従来の台湾より簡素化されており、この利用により日本企業がアジア全体で発展していく中で利用できるものだと確信している」と述べた。
台湾地方自治体「自由経済モデル区」の1つとして説明を行った桃園県の「桃園空港都市」(桃園航空城)はすでにサンエー電機、西武グループ、旭化成、日吉、エアー・ウォーターグループなど複数の日本企業が同モデル区への投資に興味を示しているという。同会の説明では桃園の優位性として、“空港があるため、台湾の物流事業の80%が桃園にある”、“過去12年間で産業年率の総生産値1位”、“台湾の6つの直轄市間で政策実行率1位”、“台湾内でもっとも犯罪率が低い”の4つを挙げ、参加者に桃園への投資を呼びかけた。また、桃園県政府はレジャー宿泊施設開発及び環境保護分野での提携や研究センター設立などの投資計画について、近いうちに日本企業と協議を行いたいとしている。
同会に参加していた日本プラスチック玩具工業協同組合の山崎秀雄専務理事は「今度、同組合で台湾に行くミッションが決定し、その事前情報収集として参加した。同組合の企業はプラスチックの物づくりの企業が多いが、その中のほとんどの企業が中国で製品を生産している。しかし最近、中国では様々な問題が発生している関係で、中国の代わりになる別の場所を探している。その1つの候補として台湾が挙げられるだろう。今日参加して、今までの台湾への認識が変化し、新しい可能性を感じた」と話していた。
また、同日会場では日本と台湾の経済及び貿易の分野を代表する機関である台日商務交流協進会と日本商工会議所が協力協定を再締結。これは双方で新たに日本商工会議所・三村明夫会頭と台日商務交流協進会・江丙坤理事長が代表者に就任したことをきっかけに、2010年9月1日に締結した協力協定を基にして再締結したもの。より具体的に日台の経済・貿易関係のさらなる発展、特に中小企業の利益の拡大及び地方経済の活性化に寄与することを約束した。