台湾紡織業拓展会(以下:紡拓会)は台湾繊維企業13社を引き連れ11月5・6日、日本のテキスタイル展示会の中で最多の出展者数とバイヤー集客数を誇るJFW Japan Creation(繊維総合見本市)に「Taiwan Eco Textiles」ブースを出展した。3回目の出展となる今年は1回目、2回目より多くの企業が出展しており、各企業が日本市場の改革及び拡大を目指す意向だ。また、6日には紡拓会の副秘書長兼市場開発処処長の楊暁琴さんが「エコを加味した昨日素材のトレンド」をテーマに講演を行い、台湾での機能性素材の発展と傾向、そして発展について語った。
ブース名や講演名にもあるように、今回の出展のポイントは“エコ”そして“機能性”だ。楊処長によると紡拓会では現代人の生活形態の変化や国際スポーツイベントなどの影響で機能性素材に対する需要が増えていることに着目しており、エコ素材や機能性素材の開発にも力を注いでいるという。このような素材の例としては誠佳科紡の「SEAWOOL」が挙げられる。「SEAWOOL」は牡蠣の殻とペットボトルよりリサイクルしたポリエステルからできた環境に優しい帯電防止糸で羊毛のような手触りがありイージーケア、速乾性、保温性に優れているという。
また、多くの台湾企業が日本市場を意識してきている理由について楊処長は「日本は既に機能性素材の分野で先進しているほか、アベノミクスの影響で日本経済が活発になってきたという印象もある。また、日本市場は商品に対して品質の要求が高い為、もし日本で商品が通用すればどの国に行っても通用するのではないかという認識、そして2020年の東京オリンピック開催も理由の1つだろう」と述べたほか、台湾の全世界の有名なスポーツブランドやアウトドアブランドが使用している機能性素材生地の70%は台湾製であることや、アメリカではヨガウェアブランドの10軒中8軒が台湾製の生地を使用していること、そして紡拓会では機能性織物試験認証制度を設定し消費者やバイヤーが機能性織物を識別できる制度を目指していることなどを説明し、台湾の優れた機能性素材の現状を日本市場にPRした。
出展企業紹介
HSD有限会社
→主に衣類用ジッパーを製造している。バラエティに富んだジッパーは全てカスタマイズ可能となっている。このほど開発に成功し特許を取得した従来品より17%薄い「SOFT ZIPPER」も披露した。
得溢實業有限公司(TEXXAR CO., LTD)
→1998年に設立。当初はトリコット、トリコメッシュ素材を扱っていたが1999年に丸編み生地、織物も加わった。丸編み専用の工場2か所と染色工場2か所、印刷加工工場1か所を自社で持っており、効率の良いサービスを提供している。輸出の90%を欧米がしめており、日本向けは最近始めたばかり。今回の出展で日本市場の拡大を狙った。
宏遠興業股份有限公司(エベレスト社)
→2009年5月にbluesign環境保護審査を得てアジアで貼り付けコーティングの認証済みの第1社目となり、様々なエコ及び機能性織物を生産している。既に日本でも支社を設けており、スポーツブランドメーカーの「MIZUNO」なども大きな取引先の1つとなっている。