北海道銀行(道銀=堰八義博頭取)の子会社である道銀カード(本社=札幌市中央区 髙田育生社長)が2010年1月27日より導入している台湾SmartPayデビットサービス(以下=SP)の提携台湾銀行に2014年12月29日付けで臺灣新光商業銀行が加わり、これまでの提携行は全13行となった。提携先金融機関が発行している金融カードの台湾国内シェアは現在約4割にのぼる。
SPは台湾人が日本で観光する際に現金を持ち歩かずとも手持ちの台湾キャッシュカードだけで簡単に支払いが出来る決算サービス。支払いの際に台湾キャッシュカードを提示し端末機に暗証番号を入力すると利用代金が自身の金融機関口座から即時に引き落とされ、月2回加盟店の口座へ入金されるという仕組みだ。なお、SPは国際間の取引ではあるが、円ベースでの資金精算であり、加盟店に為替リスクは発生しない。
利用者のメリットとして、自国のカードで決済できるほか、定期的に行われるキャンペーンにより様々な特典を受けることが出来ることなどがあげられる。現在は、後日キャッシュカード発行銀行から利用代金の2%がキャッシュバックされるキャンペーンを実施中だ。(1月23日現在)。
なお、SP加盟店も現在130店舗となっており、スタート時と比較し規模が拡大している。2014年からは本州地区での加盟店開拓を本格的に開始しており、すでに岩手県平泉、鹿児島県霧島、京都 嵐山地区、富山県富山市において加盟店が拡大するなど、全国展開は着実に伸長している。
しかし、一方で東京地区の加盟店であるドン・キホーテ銀座本店によると、SPの使用状況は3ヶ月に1回あればいい方とのこと。同店で買い物をしていた台湾人観光客も「このようなサービスがあることは知らなかった。多分台湾でもあまり知られていないと思う。もったいない」と話しており、台湾国内でのPRの強化が求められているようだ。
道銀カード営業部の立林寛光さんは、「今年はさらに全国の観光ルートにおけるSP加盟店の開拓に注力し、当面300店舗を目標に拡大を目指す。また、台湾国内では中華民国銀行公会を通じ主要旅行代理店との連携を深め、SPサービスの認知度を高めるとともに訪日時のデビットカード携帯を促進させたい」と述べている。
さらに、SPとは別に道銀では、台湾ICキャッシュカード専用のATMを5台用意して台湾ATMサービスを提供している。同サービスは、台湾人の旅行者等が専用のATMで台湾ICキャッシュカードを使用し、自らの台湾の口座残高を日本円で引き出せるというサービスである。道銀担当者によると、台湾人旅行者の利用はもちろん、北海道に留学している台湾人学生が台湾に居る親からの仕送りを台湾ICキャッシュカードで直接引き出すという活用のされ方も多いそうだ。なお、同サービスにも臺灣新光商業銀行が加わり、現在は全13行のICキャッシュカードの使用が可能である。
台湾SmartPayデビットサービス及びATMでの台湾ICキャッシュカード利用サービス提携台湾銀行
臺灣銀行、臺灣土地銀行、合作金庫商業銀行、第一商業銀行、華南商業銀行、彰化商業銀行、國泰世華商業銀行、兆豐國際商業銀行、臺灣中小企業銀行、臺灣新光商業銀行、陽信商業銀行、元大商業銀行、玉山商業銀行