台湾貿易センター(以下:TAITRA)は2月12日、横浜ベイホテル東急にて「第22回国際企業人材育成センター 横浜研修10周年答礼宴」を開催した。これは、TAITRAが運営する国際企業人材育成センター(以下:ITI)に在籍している2年生の研修生を対象に毎年行われている横浜地区での企業研修が10年目を迎えたことを祝うため、開催されたもの。
中華民国対外貿易発展協会の黄文榮秘書長が開催に合わせて台湾から来日し、研修生の受け入れ先企業に対し「感謝状と記念品」を手渡した。また、研修生と企業を繋ぐ窓口の役割を担う横浜企業経営支援財団(IDEC)の屋代昭治理事長に対し、黄秘書長より感謝の気持ちを込め、台湾陶磁器ブランドである「フランツの花瓶」などが贈られた。このほか同宴には駐日経済文化代表処横浜分処の粘信士処長、TAITRA東京事務所の陳英顕所長に加え、ITIの研修生及び研修生の受け入れ企業の関係者らも参加し10周年を祝った。
黄秘書長は、「この10年間、横浜地区の企業で研修をした研修生は217人にのぼる。卒業生217人のうち、6人は実際に横浜の企業に就職しており、台湾で就職した研修生も台湾に進出している日本企業などに就職し、日台貿易関係のビジネスに従事している」と10年間の成果を述べたほか、今後、ITIの研修生のみならず大学を卒業した若者らに対する日本でのインターンシップ制度の充実化計画があるとし、その際には横浜だけでなく他の地域の企業らとも連携し、台湾と日本各地の貿易関係を繋ぐ人材を育てたいとの意向を示した。
実際に今まで2人のITI卒業生を採用した受け入れ企業側の意見は、「同研修制度はこちらにとってもチャンスである。我々の規模の企業では、ITI研修生レベルの日本人学生を日本で採用する機会にはなかなか恵まれない。ITI研修生のレベルは日本で考えても相当なものだ。ネイティブの中国語、台湾語のほか、英語、日本語も堪能である。これを逃す手はない。今までに6人の研修生が横浜の企業に採用されているが、これは少なすぎる。今年は22人の研修生のうち、約10人を横浜の企業で採用して頂きたい」(大江電機・大江光正代表取締役)と述べるなど、ITIの研修生を高く評価していた。
また、大川印刷で3週間研修したITI研修生代表の頼怜均さんは「同研修では貴重な体験をし、日本の企業を理解することができた。卒業後は、必ず日本に関する企業に就職し、日本語スキルを活かしたいと考えている」と流暢な日本語で目標を話していた。