ヤマトホールディングス傘下で宅配業務日本最大手のヤマト運輸は18日、3月30日から日本発台湾向けの小口保冷輸送サービス「国際クール宅急便」を開始すると発表した。海外向けのクール宅急便は2013年10月から開始されていた香港に続く2地域目となる。これまで台湾向けのクール便は日本郵便のEMSのみとなっており、ヤマトは2社目の実施開始となる。
ヤマト運輸は同サービス開始の背景として、「近年の台湾人訪日旅行ブームを受けて日本食が人気を集めており、台北などでは日本食レストランが軒を連ね、料理に使う新鮮な日本産の農水産品へのニーズが高まっていること」を挙げている。また、日本の全国各地から農水産品を小口で保冷輸送できるようになることで、日本の事業者にとっては台湾市場への販路拡大にもつながるとPRしている。
同サービスは、全国6万人のセールスドライバーによる集荷と、約4000カ所のヤマト運輸直営店で日本の新鮮な農水産品を荷物1個から送ることができる。日本で集荷した荷物は、低温仕分け室を備えた沖縄の那覇空港と台北の松山空港を経由し、保冷輸送する。サイズはクール宅急便と同じ。料金は、縦・横・高さの合計60cm以内、2キログラムまでの荷物で6050円から。通常の国際宅急便より4000円以上高くなる計算。最短で翌日の夕方から、台北市内の統一速達の営業所で引き取ることができ、翌々日の午前中からは店舗や自宅まで配達する。統一速達は2000年よりヤマト運輸とライセンス契約を結び宅急便事業を展開している。今後は2015年中にシンガポール向け同サービスを開始する予定。