台鉄が鉄道以外の関連事業と初の協定締結

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西武ホールディングス(以下:西武HD)と台湾鉄路管理局(以下:台鉄)が3月14日、グランドプリンスホテル新高輪(東京都港区)にて行われた調印式で「包括的事業連携に関する友好協定」に調印した。あわせて、西武HD子会社の西武鉄道も台湾鉄路と姉妹鉄道協定を結んだ。

日本の鉄道と台湾の鉄道が提携を結ぶ例が増えており、2015年2月にはJR東京駅と台鉄の新竹駅が姉妹駅を締結するなどしているなか、今回は「台鉄と西武鉄道」のみならず、「台鉄と西武HD」が協定を締結した。台鉄の周永暉局長によると、台湾側から見て海外での協定締結式典は今回が初めて。鉄道以外の関連事業の協定締結も初だという。

西武HDの後藤高志社長は「台湾は西武HDにとって重要な地域である。鉄道事業や関連事業など幅広い分野に力を入れている両者が連携することで、事業の発展、地域社会への貢献が相互に実現できると確信している」と述べた。また、周局長は日本語で「相互の協力がますます活発化することで両国がさらに親密な関係になり、より便利な鉄道生活を築けると信じております」と述べ両者の協力に期待を示した。

台鉄の周永暉局長(左)と西武HDの後藤高志社長(右)
台鉄の周永暉局長(左)と西武HDの後藤高志社長(右)

このほど、友好協定で西武HDと台湾鉄路が行う取り組みとしては、現段階では災害時の相互協力、相互の観光PR、記念乗車券の相互発売の3点を計画。

災害時の協力としては、日台はお互い未曽有の災害を経験し、乗り切った両社はその教訓を活かして互いの防災対策をより充実させること、大災害発生時には相互に物的・人的支援を行うことに合意したほか、復旧復興、事業継続計画の訓練について意見交換や知見の共有などを期待しているという。また、観光のPRは両者の代表的な駅(池袋駅や台北駅など)で、広告スペースを提供し合う予定である。台北駅では3月17日から西武グループの案内スペースを設け、秩父・川越・軽井沢・箱根といった同グループの代表的観光地をPRした。記念乗車券は台鉄と西武鉄道の双方で相互に発売し、それぞれの観光地などに誘客を図る狙いだ。さらに、後藤社長は2月に台湾鉄路と友好鉄道協定を結んだ京浜急行電鉄(京急)と西武鉄道、台鉄との3者連携の検討についても話した。「京急と台鉄、西武と台鉄という2者間の提携以上のシナジー効果が発揮できるだろう」と述べた。

今後の西武HD独自の取り組みとしては、沿線3カ所のプリンスホテルにて4~6月、台湾料理キャンペーンを実施するほか、4月11~12日に西武プリンスドームで行われるプロ野球・埼玉西武ライオンズ対千葉ロッテマリーンズ戦で、台湾の伝統芸能を行うなどの「台湾デー」を開催する予定。西武トラベルでは、池袋駅の営業所で既に台湾旅行予約キャンペーンを開始している。また、2015年7月をめどに、西武鉄道の社員を台湾に駐在員として派遣することも予定しているという。

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