日本人が台湾旅行に出掛ける時、「おいしい台湾料理」を目当てに行くという人も多いのではないだろうか?“台湾で食べたあの料理を、食べたいときに自分で作れたら…”という思いを叶えてくれるのが、Niki’s Kitchen (ニキズキッチン)英語料理教室で開講されている陳高生先生の台湾料理教室だ。
ニキズキッチンは日本在住外国人の自宅でその国のお料理教室を開催している料理教室で、料理と同時に異文化も学べることで話題となっている。今までにアメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、デンマーク、スウェーデン、ハンガリー、ポーランド、イタリアなど、90人近い先生と40カ国以上のお料理を紹介してきているが、その中でも池袋の陳先生による台湾料理教室は生徒から1番の人気を得ている。
「陳先生のお料理教室は2011年に開講してすぐ、人気NO1になりました。ここ1年は更に人気が上昇しており、リピーターも多いため、予約は常に約100人待ちといった状態が続いています。料理のみならず、陳先生や教室を手伝っている陳先生の奥さん、娘さんの温かい人柄も人気の1つで、陳先生一家に会いたくて受講する生徒も多いです」(ニキズキッチン代表・棚瀬尚子さん)
陳先生のお料理教室は毎回定員7人、陳先生の自宅1階で行っている。現在は週に3、4回開講しており、これまでに教えてきた生徒の数は約3000人にのぼる。優しい笑顔で生徒を迎える陳先生は「台湾の雰囲気を少しでも味わっていただくために、自宅の装飾も台湾風のものにしています」と話すこだわりぶりだ。
メニューは陳さんの数多いメニューの中から大体3ヶ月に1回更新し、リピーターの生徒にも楽しんでもらえるように工夫している。台湾の元宵節にあたる3月5日に行われたお料理教室のメニューは滷肉飯(台湾風肉そぼろご飯)、開陽白菜(白菜と干しエビの煮物)、椒鹽排骨(スペアリブの胡椒風味)、紫菜吻仔魚湯(岩海苔とシラスのスープ)、台湾では元宵節に食べる風習がある酒醸湯圓(白玉の酒粕風味)。
陳さんは料理をしている間、プロならではのワンポイントアドバイスをしたり、時には冗談を言いながら料理を披露し、生徒はそれをメモや写真を撮りながら記録する。教室は、常に笑い声が溢れ、終始楽しい雰囲気で行われる。
料理教室後は、自宅でもすぐに作れるようにという陳先生願いから、陳先生の娘さんが生徒を中華食材専門スーパーの友誼商店に案内し、料理に使った食材などを買い付けするツアーを行う。
「ニキズキッチンではいつもヨーロッパ系のお料理教室に参加していました。今回初めて台湾料理の教室に参加しましたが、他のところのお料理教室よりも和気藹々とした雰囲気だなと感じました。お料理だけでなく、台湾のプチ情報なども教えて頂けて、台湾に行ってみたくなりました」(40代主婦の生徒さん)
陳先生は元々、ホテルやレストランなどで中華料理のシェフを務めていた。しかし、体調を崩し引退。2011年に亜東親善協会の紹介にてニキズキッチンから声がかかり、「週に1、2回ならば、、、」ということで講師を引き受けるに至った。最初は3ヶ月の契約で講師を務めることになっていたが、陳先生のお料理教室を心待ちにしている生徒さんの声に応えるべく、契約を延長し、奥さんと娘さんの家族3人で今まで続けてきた。
陳先生は「ここにくる生徒さん達はみんな家族のようなものです。食べて、話して、楽しんで、、、。このお料理教室の事を思い出して、家でも作ってくれたら、それは1番うれしいことですね。もっと沢山の日本人に台湾料理を伝えて行きたいです」と笑顔で目標を語った。