台湾ボート産業の現状と日台協力の可能性

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台湾経済部国際貿易局及び高雄市政府は16日、渋谷エクセルホテル東急にて「台湾ボート産業セミナー」を開催した。台湾ボート産業の最新現状を日本のボート産業関係者らに紹介し、来年開催予定の第2回「台湾国際ボート見本市」(以下:同見本市)への出展を促すことが目的だ。

「台湾ボート産業セミナー」の様子
「台湾ボート産業セミナー」の様子

同セミナーで講師を務めた台湾ボート工業協会(Global Yacht Builders=宏海遊艇)の張嘉豪理事長によると、台湾の主なボート製造業者は北部の基隆と南部の高雄に分布しており、なかでも9割は高雄で生産されるという。高雄は約50年前からボート産業の発展に注力しており、近年では業者の川上と川下の統合強化と積極的な転換によって、優れた木材加工技術でカスタムメードされた豪華ボートの輸出を主に成長し続けている。

台湾ボート工業協会(Global Yacht Builders=宏海遊艇)の張嘉豪理事長
台湾ボート工業協会(Global Yacht Builders=宏海遊艇)の張嘉豪理事長

また、台湾は海に囲まれた島国であるため、ボート産業が発展しており、アジア最大のボート製造基地とされている。2014年の雑誌「ショーボート・インターナショナル」の調べで、2015年の台湾における全長80フィート(約24メートル)を超えるクルーザーの製造受注総延長は5312フィート(約1619メートル)で、3年連続で世界6位となっていることも台湾がボート王国であることを裏付ける。

張理事長は日本との協力関係について、「台湾は近年、船釣りの人気が出てきている。しかし、残念ながら台湾にはフィッシングボートを製造している業者はいない。一方、日本はフィッシングボートの製造に優れている」とし、「台湾は得意とする豪華クルーザーの製造に注力し、フィッシングボートは日本から輸入したい。お互いに輸出入で協力していければ」と述べた。今後、台湾はフィッシングボートを製造するかしないか、の質問には「その予定はない。お互い、得意な分野を更に伸ばしていくべき」とした。

これに対し、日本マリン事業協会の藤野一秀事務局長は「今、台湾との取引としては台湾の豪華ボートを輸入するのが主となっている。台湾への日本のフィッシングボートの輸出はまだ様子見の段階だと思う。台湾の船釣り人口が増え、マーケットとして確立すればフィッシングボートを輸出したいと申し出る業者も増えるだろう」と述べた。

日本マリン事業協会の藤野一秀事務局長
日本マリン事業協会の藤野一秀事務局長

高雄で2014年5月に高雄展覧ホールにて開催された第1回同見本市には世界各国から168社が出展し来場者も約6万人が訪れ、ニュー台湾ドル52億元を超えるビジネスチャンスが生まれた。台湾貿易センターによると、台湾政府は台湾ボート産業の国内外市場開発サポートのため、来年の3月10日より13日で第2回目同見本市を開催するほか、ボート税基準の緩和、ボート専門エリアの設立、ボート停泊場所不足問題の解決、高雄港へのボート出入り手続きの簡素化など様々な政策を打ち出し、高雄をボート製造、販売、展示の一大拠点にする計画を打ち出している。

左から台湾貿易センター東京事務所の呉俊澤所長、日本マリン事業協会の藤野一秀事務局長、台湾ボート工業協会の張嘉豪理事長、中華民国対外貿易発展協会(TAITRA)台北本部プロジェクトマネージャーの謝怡君さん
左から台湾貿易センター東京事務所の呉俊澤所長、日本マリン事業協会の藤野一秀事務局長、台湾ボート工業協会の張嘉豪理事長、中華民国対外貿易発展協会(TAITRA)台北本部プロジェクトマネージャーの謝怡君さん

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