~2020年に向け、日台間投資協力関係の促進を~
台湾貿易センター(以下:TAITRA)東京事務所の所長に今年の2月14日付けで着任した呉俊澤氏はこのほど、台湾新聞のインタビューで今後の活動における目標及び日台間の投資現状と展望を語った。
「東京は2020年にオリンピックを控えており、台湾企業もオリンピックに多くのビジネスチャンスがあると感じている。ゆえにTAITRAも日本市場を重視している」と話した呉所長は、東京事務所所長を務めるにあたり「東京オリンピックを一つの目標とし、日台間の貿易及び投資の関係を更に促進していきたい」とした。東京事務所は今年からの新たな試みとして、6月18日に台湾から約10社を招き東京で「東京オリンピックに向けた日台商談会」も計画中であり、早くも動きをみせる。
台湾企業による日本への投資現状は、ここ数年件数・金額ともに右肩上がりに伸び続けている。なかでもIT関連産業に集中しており、シャープの経営危機で2012年7月から鴻海の郭台銘理事長が堺工場に出資した事は印象的だ。このような現状に対し呉所長は、「企業のM&Aの動きは台湾企業にとっても非常にいいチャンスだ。日本は円安でチャンスもあり、豊富な人材も揃う。台湾の産業の開拓に有利な市場だと思う」と述べた。
また呉所長はとくに、高い水準を持つ日本のサービス業に注目しており「現在管理人材の重要性が高まっている台湾のサービス産業企業は、台湾の将来の成長のためにも積極的に日本へ進出し、日本の優れた人材やサービス技術を取り入れて欲しい」とした。
一方、日本から台湾への投資については、近年製造業よりサービス業が多く、種類も流通小売業から飲食業まで様々であるとしたうえで、「太陽光発電などの省エネルギー産業、介護関連産業などは、ソフトウェアからハードウェアまで日本は特に優れている。今後はこのような分野からの投資も望んでいる」とした。
なお、東京事務所は引き続き定期的に各種産業セミナーや展示会の開催、情報の提供や組織紹介などを通じて日台間の貿易及び投資の結び付き強化に協力してくという。
台湾貿易センター東京事務所
呉俊澤所長プロフィール
台湾高雄出身。中華民国対外貿易発展協会入社25年目。すぐ東北アジアセクションに配属され、日本との貿易に関わる。入社翌年の1991年より台北貿易センター大阪事務所の課長職として5年間駐在。帰国後、その経験を活かし日本関係の業務に携わる。今回は19年振りの日本勤務となる。