西日本の食の最新情報やシステムを紹介する「西日本食品産業創造展」が、20日から福岡市内で開催された。九州経済産業局、九州農政局のほか、32の関係官庁・団体が後援するなど、官民あげてのイベントで、台湾貿易センター福岡事務所もブースを設営、台湾に関する種類を展示した。
25回目を数えるイベントの今年のテーマは「食の未来を考える」。県内外から食品関連会社206社が食材や製造設備、包装技術、衛生・品質管理システム、販売システムなどを展示。西日本最大級の規模で、セミナーや、ブースイベント等も開催された。韓国から「韓国農業技術実用化財団(FACT)」が支援する企業の製品・技術を紹介するブースもあり、会場は多くの来場者で賑わった。
主催者である日刊工業新聞社の大櫛茂成副部長は「衛生や安全面に対する需要が強まっている中、各メーカーがそれぞれ力を入れている。業務用メーカーと小売店などとの架け橋が展示会の役割であるが、一般の来場者にも『食の流通の仕組み』が理解してもらえる」と話した。中でも一際、来場者の注目を集めたのは、熊本県の農研機構・九州沖縄農業研究センターが出展した「米粉向き多収米・ミズホチカラを使った米粉パン」のブースだ。
台湾でも、日本の「米粉パン」は注目を集めており、話題の産物がイベントに登場した形だ。展示ブースでは「グルテンフリー」の米粉パンも出され、来場者が次々と訪れ、そのモチモチとした食感に驚きを見せていた。後藤久美広報係長は「食感や味など、将来に向け可能性が大きいパンなので、多くの消費者に知ってもらいたい」と話した。
場内では、東京農業大学の小泉武夫名誉教授による「和食に秘める保険的機能性」、久原本家グループ本社の河邉哲司氏による「モノ言わぬモノにモノ言わすモノづくり」といったテーマで講演会が行われた。