台湾初のウイスキーメーカー金車股份有限公司(李玉鼎社長、以下:金車)は7月24日、「2015KAVALANウイスキー世界巡回試飲会」を東京で開催した。日本での巡回試飲会は上海、フランクフルトに続く3カ国目で年内最後だった。
同会は金車が製造するウイスキー・KAVALANの「ソリスト ビーニョワイン樽 シングルカスクストレングス」が今年3月にロンドンで開催された世界で最も権威のあるウイスキー賞と言われる「ワールドウイスキーアワード(WWA)」において「ワールド・ベスト・シングルモルト・ウイスキー賞」と「ベスト・アジアン・シングルモルト賞」の受賞を記念して開催された。この日来日したKAVALAN主席アドバイザーのジム・スワン氏とKAVALAN主席ブレンダーの張郁嵐氏が、2015WWA受賞作を含む5銘柄ウイスキーを紹介し、参加者に試飲させるなど、KAVALANの魅力や特徴を詳しく伝えた。
張氏によると、KAVALANは日本に進出してまだ2年目だが、昨年と今年の対比では約20%増という。張氏は「日本と台湾は消費者のメンタリティが似ており、品質を重視する日本人と同様に、KAVALANもまた品質を重視しているため、日本でも成功の可能性が潜在していると感じている。引き続き日本市場を重視し、多くの日本人に知って頂くためにPRしていく」と述べた。
また、李社長によると、現在のKAVALANウイスキー生産量は年間300万本で、欧州向け輸出高は昨年と今年の比較で35%増と説明。この成長もふまえて年末には750万本に増量する構え。さらに来年末の生産目標1500万本を目指す。
日本での輸入販売を行う雄山(本社=兵庫県神戸市、加藤泰雄社長)東京支店食品部の大峠卓也課長は「日本でも売り上げは伸びている。今後もKAVALANウイスキーの認知度を高めるため、PR活動に力を入れていきたい」と意気込みを語った。
KAVALANの名称は、台湾の台湾北東部の雪山山脈を東に下った場所に位置する「宜蘭」の旧称が由来。 製造工場も宜蘭に位置し、雪山山脈の水を使用して、原料から製造まですべてを台湾国内で行うというこだわりぶり。台湾特有のマンゴーなどの亜熱帯フルーツを感じさせる風味や香り、まろやかな口当たりが特徴だ。フルーティーでさっぱりとしているため、食事をとりながらウイスキーを飲むことが多いアジア人にぴったりのウイスキーといえる。
台湾は平均気温が高いことから蒸留酒の製造・熟成が困難と思われるが、金車独自の温度管理の自動化システムにより事業化が可能となり、スコットランドから輸入するオリジナルの蒸留釜、アメリカやスペインから入手した貯蔵樽を用いて2005年に蒸留所を設立。2006年からKAVALANウイスキーを製造し、2015年までの約10年間という短期間に世界各国で100個以上の賞を受賞している。