高雄市と友好交流都市関係にある八王子市は8月7日より9日まで、JR八王子駅前、西放射線ユーロード、甲州街道(駅入口交差点から追分交差点まで約1.8km)にわたる広範囲で八王子祭りを開催した。同祭りの8日と9日には、八日町交差点南側にて「台湾・高雄パフォーマンス」が行われ、高雄市の桃源区にある「興中小学校」の原住民の生徒らが来日し、1日2回、原住民伝統の歌や踊りを披露した。
同校は原住民の児童36人が通う小さな学校で、今回は布農(ブヌン)族と拉阿魯哇(ラアルワ)族の10歳から12歳の生徒10人が初来日し、先祖代々より伝わる集落の神話を歌や踊りで表現した。
公演の初日となった8日、会場には八王子市の石森孝志市長と黒須隆一前市長、また、高雄から生徒らと一緒に来日した高雄市政府の蔡柏英副秘書長らが訪れ、生徒らの元気な公演を観賞した。生徒らは公演後、同日に誕生日を迎えた石森市長に対し、中国語と日本語で「ハッピーバースデー」の歌をプレゼントし、石森市長の誕生日を祝福した。
公演を終えた生徒は「楽しかった。日本はとても綺麗。また日本に来たい」と感想を話した。また、同公演を楽しみにしていたという20代の日本人男性は「台湾原住民の歌や踊りを見るのは初めてだった。子どもたちの歌声を聴いて、温かい気持ちになった」とコメントしていた。
生徒らは同公演のほか、同祭りの山車引き体験や、高尾山の登山体験を通し、日本の文化や自然を堪能した。
来年で10年を迎える友好関係
八王子市と高雄市は、平成18年に友好交流協定を締結しており、来年で10年となる。同祭りでの高雄パフォーマンスも同協定締結をきっかけに始まっている。昨年の同祭りの際は、同時期に高雄で大規模なガス爆発事故が発生し、それに対し、義捐金の募金活動が行われ、集まった約156万(八王子市発表)の義捐金を高雄市政府に寄付した。
このたび来日した蔡副秘書長は、この八王子市からの支援について「同事故発生を知り、真っ先に義捐金を募る行動をとってくれた八王子市には感謝の気持ちでいっぱいだ。これからも八王子市と、より深い友好関係を築き上げたい」と語った。また、同校の郭基鼎校長も、同じく同事故の際の八王子市からの義援金寄付に感謝の意を述べた。
なお、高雄市と同協定を結んだ当時、市長を務めていた黒須前市長は「私が力を入れてきた高雄市との交流を、現市長の石森市長が受け継いでくれている。今後は、青少年同士の交流、そして中小企業同士の交流を促進していきたい」と更なる友好関係への希望を述べた。