台湾観光局はこのほど、東京ビッグサイトで行われた旅の祭典「ツーリズムEXPOジャパン」(会期:9月25日~27日)への台湾観光パビリオン出展に合わせ、同局の謝謂君局長率いる台湾各地の地方政府、ホテル・レジャー企業、文化施設、旅行関係企業、航空会社など約80機関170人で観光代表団を結成し、日本で様々な観光イベントを行い台湾観光PRに徹した。
台北市、新北市、基隆市、桃園県、台中市、彰化県、南投県、嘉義県、高雄市、宜蘭県、花蓮県、台東県、澎湖などから参加した代表団らは、パンフレットや紹介DVD、関連グッズなどを用いて、フェイス・トゥ・フェイスでそれぞれの特色ある魅力を積極的に日本人に伝えた。
ツーリズムEXPOジャパンの台湾パビリオンでは、台湾各地の情報をいっぺんに知ることができるこの機会を逃すまいと、連日大勢の来場者でにぎわっている印象をうけた。しかし、毎年台湾パビリオンに出展している宜蘭県政府工商旅遊処観光行銷科の林暐琦さんによると、今年は例年に比べて来場者は少なめだと感じたそうだ。その代わり、台湾旅行リピーターで、一般的な観光情報ではなく、さらに一歩進んだディープな情報を求めて訪れた人が多かったという。そういったニーズを察してなのか、今年の出展の中には、桃園での工場見学及びDIY体験の紹介や、台湾テレビ局スタジオ観覧付き旅行の提案、淡水の似顔絵影絵の体験コーナーなどバラエティに富んだ観光情報も多く見受けられた。
来場者になぜ台湾ブースに訪れたか聞くと、「もともとハローキティが好きで、エバー空港のキャラクターに起用されていることから台湾にも興味を持ちました」、「台湾の歴史に興味があったので」、「台湾の色々な温泉に入りたい」、「パッケージが可愛いから台湾のグッズを集めている」など、千差万別な意見が聞けた。台湾の観光は、単なるブームではなく1つの旅行地として定着しており、表面的ではなくもっと深い部分が求められてきているのだろう。
嘉義県長と観光局長、日本市場を重要視
同団はツーリズムEXPO前日の24日、帝国ホテルにて日本の旅行業界の重鎮と旅行関連企業担当者らを招き、台湾観光商談会及び懇親会を行った。同会には台湾南部・嘉義県の張花冠県長も来場し、自らトップセールスを行った。
張県長は式典で嘉義県について詳しく説明したほか、インタビューの際は「近年日台往来旅客数は成長をしているが、嘉義県は他の地域に比べたらまだまだ観光客は少ないのが現状だ」と問題点を提示したうえで「嘉義県には八田與一ダムや映画『KANO』の舞台となった場所など、歴史やストーリーを持つ観光地が沢山あり、奥深い旅行をすることができる。今年の12月28日には国立故宮博物院の南部分院(以下:南院)もプレオープンするので、多くの日本人の方にお越しいただきたい」と述べた。張県長によると、南院では最初の展示で国宝の「翠玉白菜」と「肉形石」を交代に展示するという。
一方、謝局長は9月27日より木村拓哉出演の台湾観光CM放映を記念し、今年の11月から「一石二鳥 I Love Taiwanキャンペーン(仮題、以下:一石二鳥キャンペーン)」を行うことを発表。さらに今年の8月に行われた「台湾美食展」のチャンピョンチームを12月に日本に送り、旅行関係者らに向けた忘年会で同チームが作る伝統料理を振る舞うことも約束した。台湾観光協会東京事務所の江明清所長によると、一石二鳥キャンペーンでは期間中、台湾への航空券発券証明書を張ったハガキを台湾観光協会へ送ると、1日1人の航空券代が無料になるという(その他詳細は未定)。
なお、謝局長は今まで、台湾を訪れた記念すべき500万人目と800万人目の海外旅行客がいずれも日本人であったことを説明し、「今年はもうすぐ訪台海外旅客数が1000万人目を突破する。1000万人目の海外旅行客も日本人であり、私の手から記念品を贈呈できればと思っている」と述べ、日本人訪台旅行客増加への期待を表示した。