台湾人若手写真家が写す故郷への想い

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虎ノ門の台湾文化センターでは2015年12月12日より2016年1月20日まで、台湾人若手女性写真家・林佳文さんの写真展「読川」を開催している。林さんが日本で写真展を開催するのはこれが初めて。

台湾人若手女性写真家・林佳文さん
台湾人若手女性写真家・林佳文さん

同展では、林さんが過去5年間で異国から一時帰国した際、故郷の台湾・屏東で撮影した写真の中から厳選した33作品が展示されている。自身の生まれ育った国を離れ、改めて感じた故郷への恋しい想いや、改めて気付かされた故郷の印象が記録されている。

来場者に作品を説明する林佳文さん
来場者に作品を説明する林佳文さん

展示されている写真は全て、デジタルカメラではなくフィルムカメラで撮影され、昔ながらの現像方法にこだわったモノクロ写真。林さんは以前より1枚1枚を大切に仕上げることの出来るフィルム写真を好んでおり、ほとんどの作品は自身で撮影から現像まで仕上げているという。

林佳文さんの作品©Chiawen Lin
林佳文さんの作品©Chiawen Lin
林佳文さんの作品©Chiawen Lin
林佳文さんの作品©Chiawen Lin

写真展初日となる12月12日に台湾文化センターで行われたレセプションで林さんは「日本でこの写真展を開催できて嬉しい。私の写真は台湾の生活の一部を切り取ったものです。台湾の写真というと、101や小籠包のような代表的なものをよく見ると思うが、私の写真展では皆さんの中にある台湾のイメージとは違う台湾を感じて欲しい」と語った。

また、レセプションに訪れた写真家の瀬戸正人氏は「林さんとは昨年のYOUNG ART TAIPEIの際に彼女の作品評価を行ったのがきっかけ。その頃から注目している。林さんの写真には心がある。今の写真家では珍しい。台北の今年の2月に私のギャラリー『Place M』で展示してもらえるように相談中だ」と述べた。

林さんの作品に注目しているという写真家の瀬戸正人氏
林さんの作品に注目しているという写真家の瀬戸正人氏

林さんは2013年にチェコ国立プラハ芸術アカデミー大学院写真科に留学。現地で写真コンテストへの出展や個人展覧会の開催などに取り組み、その後、台湾の「2014年台北芸術博覧会」で台湾文化部が選ぶ新人アーティストの1人として抜擢。今年からは日本でワーキングホリデーをしつつアーティスト活動を行っており、先日東京で行われたガーディアン・ガーデン主催の第13回写真「1_WALL」では審査員奨励賞を獲得するなど、各地で大注目の若手女性写真家だ。

「日本の写真家の作品はとても繊細で人の心を動かすものが多く、私もそのような写真が好きなので、日本はずっと前から生活したい場所だった。今後、しばらくは日本に留まり、日本の日常や風景など、色々なものを撮ってみたい。これからも写真を撮り続け、努力し、良い写真家になりたい」(林さん)

林佳文さんの作品©Chiawen Lin
林佳文さんの作品©Chiawen Lin

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