照明器具や開発技術の展示会「ライティングジャパン2016」が1月13日より15日まで東京ビックサイトで開催されており、台湾区照明灯具輸出業同業公会(以下:同会)率いる台湾企業14社が同展内の「第8回ライトテックEXPO」に出展している。
同会はライトテックEXPOが開催されてから毎年台湾パビリオンを出展。このほどの出展企業は主にLEDを使用した製品を多く展示し、各企業が台湾の品質の高さをPRしていた。同会の監事会召集人の姚文氏によると、出展企業は大手企業のみでなく、自ら出展を申し込んだ中小企業からの出展が多いという。
台湾現地ではなく、日本とヨーロッパを中心にLED tube、天井灯、ダウンライトなどを展開している和正豐光電股份有限公司は、台湾製と日本製の部品のみを使用しており、品質の高さを売りにしている。同社製品をPRする陳威丰氏によると、中国大陸や台湾の他企業と比べ、製品の値段は割高であるが、天井灯は故障時の修理代が高くつくこともあり、「最初から良いものを購入し長く使用したい」という顧客から好評を得ているという。
さらに、陳氏は「今後、2020年の東京オリンピックで使用する競技場の天井灯に設置していただけるよう、アピールを続けていきたい。さらに、日本の支社を設置できるよう計画も進めている」と日本市場における目標を語っていた。
また、12年前から既に台湾の明緯企業股份有限公司(以下:明緯)と代理店契約をしている協和の安川洋一氏は「LED、各種電源を取り扱う明緯と代理店の契約を結んだばかりの頃は知名度が低かった。しかし、現在は業界内でも有名企業になっており、明緯の商品を使いたいという企業はかなり多い。やはり低価格・高品質というのが人気の原因だろう。日本の技術にはまだ及ばないが、海外のメーカーと比べれば品質は1番だ」と評価を述べた。
一方の姚氏は、業界全体の日本市場における現状について、「今までライトテックEXPOに出展してきたが、我々台湾の業者にとって日本の業者は、ライバル関係にあるため、日本と台湾の協力関係はまだまだ薄いといえる。しかし、世界のマーケットに進出していくことを考えると、将来的には日台の企業が提携し協力関係を築いていく必要がある」と課題を提示した上で、「日台はもともと有効な関係にあるため、協力関係を築く際、大きなトラブルはないだろう。日本の技術の高さと、台湾の生産力の高さを上手くマッチさせれば良い協力関係が生まれる」との期待を語った。
同展初日の13日に、台湾パビリオンを視察した台湾貿易センター東京事務所の呉俊澤所長も、「日台の照明業界で企業間の提携例は少ないので、台湾貿易センターでも日本企業側の説得などの面で協力して行きたい。ここ2~3年来、同業界の景気は日本も台湾も良くない状況が続いている。この状況を打破するためにも、日台は協力していくべき」と述べ日台の協力関係強化の必要性を述べた。