台湾貿易センター国際企業人材育成センター(ITI)の研修生27人が福岡での企業研修を終え、2月19日、ハイアット・リージェンシー・福岡で、研修成果報告会と終了式・フェアウエルパーティが開催された。
第一部の成果報告会の開催に当たって、台湾から駆けつけた龔 維新ITI主任(校長)は、福岡での研修が今回で13回目を数え、合計303人が研修を受けたことに対して、受け入れ企業・団体や協力企業をはじめ、福岡県、台北駐福岡経済文化辦事處など、すべての関係者に感謝の意を表した。
また、これまでの研修生が帰国後も福岡のファンであり続け、福岡、九州、日本との架け橋として活躍していることを報告した。
次いで挨拶に立った台北駐福岡経済文化辦事處の戎 義俊処長は、自分自身がITIの福岡研修にタッチしたのは今回が3度目であるが、これまでの研修は台日間の素晴らしい人間関係を作るきっかけになっている。今度の台湾南部地震に対して、日本の多くの方々からお見舞の電話やメールがあり、多額の義援金まで寄せられているのは、単に東日本大震災時の台湾の行動に対する恩返しというだけでなく、多くの人々の自発的な気持ちの表れである。過去から現在まで台湾と日本は深く結びついているが、今回の研修が両国間の絆を一層強いものにすることを確信していると述べた。
成果報告会は、受け入れ先ごとに、それぞれの研修生が5~7分の時間で、写真や動画などを投影するプレゼンテーション方式で行われた。研修先の業務内容の紹介、その中で自分がやったこと、仕事の進め方について感じたこと、新鮮に感じた体験などを流暢な日本語で語り、来場者を感心させた。
殆どの研修生は「客を玄関まで送るおもてなしの心」、「お客様とウインウインの関係を作ろうとする意識」、「清潔な職場」、「丁寧な仕事ぶり」、「怠りない事前準備」、「お早うございます、御疲れ様、お先に失礼します、などの挨拶」、「安全第一の心」、「約束の時間を絶対に守る精神」、「(飲み)ノミニケーションで本音をシェアすること」などに、日本のビジネス文化を感じたようだった。
研修生のプレゼンテーションが終わった後、受入れ側を代表して九州経済連合会の西川 治国際部長が、受け入れた自分達が逆に刺激を受け、大いに勉強になったこと。研修生にはこれから世界に飛躍してもらいたいとエールを送るかたわら、どんな時も福岡を忘れないようにお願いしたいと述べた。
また、台湾貿易センター福岡事務所と連携してこのプロジェクトを進めてきた福岡県商工部の山田修平主査は、研修生全員がそれぞれの企業・組織を代表しているようなプレゼンテーションをしたことに触れ、ここまでなったのは、よほど受け入れ先の研修生への接し方が良かったのではないかと感謝し、研修生には今後この縁を大きく膨らませて成長して欲しいと述べた。
第二部の終了式・フェアウエルパーティでは龔維新校長が研修生を壇上に呼び寄せ、台湾式の手拍子で会場を盛り上げるところから始まった。
続いて来賓の挨拶があった後、すべての受け入れ先1ヶ所、1ヶ所に、ITI龔 維新校長と台湾貿易センター福岡事務所の林 淑惠所長から感謝状と記念品が贈呈された。
贈呈式の後、研修生を代表して周 文琦さんが感謝と今後の活動に対する決意を表明し、続いて研修生全員が壇上に上がって「有り難うを何度言っても言い尽くせない」という歌を披露すると、会場の人々が手拍子で応じ、全員の心が一つに溶け合った。
その後、主催者を代表して台湾貿易センター福岡事務所の林 淑惠所長が、閉会の挨拶に立ち、何十年ぶりかの大雪の中に研修生が福岡に到着したのが印象的であったこと、気温の急激な変化に体調を崩す生徒がいて心配したこと、しかし今日の発表を聞いて研修生が多くのことを学び成長したと確信できたことなどを、途中で言葉を詰まらせる場面を見せながらも強く述べた。
そして、研修生には福岡で学んだことの誇りを胸に、日本や世界とのビジネスで大いに活躍して欲しいと注文を出すとともに、今回の研修を受け入れてくれた企業・団体、二人三脚で事業を進めてくれた福岡県庁、指導・助言をしてくれた辦事處、お茶会・ツアーなどで協力して頂いたすべての皆様に感謝したいと締めくくった。