福岡で企業研修中の台湾貿易センター国際企業人材育成センター(ITI)の研修生が、建国記念日の2月11日、茶道の体験講習を通じて日本の文化と心を学んだ。
福岡市早良区の西南学院大学「西南コミュニティセンター」の茶室で一行を出迎えたのは、「和文化教育・敬水会」のメンバー。研修生を代表した4人が和服に着替えた後、敬水会を主宰する志村宗恭先生から茶道に込められた「和の心」の説明を受けるところから体験講習が始まった。
志村先生は、まず最初に「茶道は礼に始まり礼に終わる」ものであり、何よりも大事なことは真っすぐな姿勢と相手に対する感謝であることを説いた。そして、それを体現するために、もてなす亭主側はゆっくり、しっかりと足を運び、心のこもった言葉を掛けること。もてなしを受ける客側は、呼吸を整え、丹田に力を入れて丁寧にお辞儀をすること、はっきりと感謝の言葉を返すことを心がけるようにと話した。
また、お茶席には、掛軸などでその日のテーマを掲げるものだが、椅子席の「一期一会」、畳席の「和敬清寂」の崩し文字が読めるかどうかを研修生に聞いたところ、どちらも読むことが出来たため、さすがは漢字の国のお客様だと驚き、感心された。「一期一会」は、この機会は二度と繰り返されることのない、一生に一度の出会いであると心得て、亭主・客ともに互いに誠意を尽くすという意味であり、「和敬清寂」は、相手と協調し、敬いあい、心を含めすべてを清らかに保ち、何ものにもとらわれない気持ちであると話し、この心構えで茶会に臨んで欲しいと説いた。
研修生は、掛軸に表現された言葉の意味を噛みしめるとともに、梅の花や鶯を模ったお菓子で季節性を表現したり、茶せんで泡立てることによって、かつては薬でもあったお茶をまろやかに飲む作法に感心した。また単に客として飲むだけでなく、自ら点てたお茶を振舞う所作を通じて、より一層日本の文化への理解を深めたようだった。
最後に、お茶の心を通じて日本文化を学ぶことが出来たことへの感謝の記念撮影をして、体験講習を終えた。