台湾在日福岡留学生会(会長:九州大学大学院 黄悠然氏)は5月14日、八仙閣福岡本店にて平成28年度の新入生歓迎会を開催した。
同会には、九州・山口の大学や専門学校の在学生のみならず、在日台湾人先輩や台湾に関心を持ち応援しようとする多くの人々が出席し、今年から仲間に加わったフレッシュマンを歓迎し、激励した。
留学生会を代表して挨拶に立った黄会長は、多忙な時期にも拘らず、政治、行政、産業界等から100人を超す人々が参加してくれたことに感謝するとともに、今後の留学生会の活動並びに新入生に対して、各界から的確な指導と暖かい支援を頂きたいと述べた。緊張でつまり気味に話す黄会長のスピーチに対して、会場のあちこちから「頑張れ!」、「加油!」の声が飛ぶ場面もあり、会場の一体感が高まった。
次いで来賓のトップバッターとして台北駐福岡経済文化辦事處の 戎義俊處長が挨拶に立ち、4月の熊本地震、2月の台南地震、5年前の東日本大震災に触れ、このような厳しい試練があるたびに日本と台湾は協力関係を深めていること。自然災害への対応だけでなく、安全保障面でも同じ宿命にある日台両国が、関係性をますます強めつつあるとの認識を述べた。
また、日本人の台湾に対する意識のキーワードが、蒋介石の「以徳報怨」から李登輝の「台湾民主化」、更には東日本大震災に対する「感謝台湾」へと変遷しながら、両国関係が新たな段階に入りつつあること。これからも起こりうるであろう様々な試練に対して、留学生が日本を理解し、日本人との関係を深めて、両国の絆を強める先鋒となってくれることへの期待を表明した。
来賓二番手の山口県日台交流協会の重富剛克会長は、異国で暮らす留学生の身の回りには、これから様々な予期せぬことが起きるかもしれないが、「おいあくま」の精神で乗り切って欲しいと述べた。
「おいあくま」は次の言葉の最初の文字を集めたものである。
お=怒らない、い=威張らない、あ=焦らない、く=腐らない、ま=負けない
「あくま」は悪魔であり、この精神で悪魔を寄せ付けないようにしようという、はなむけの言葉である。
そのほか、熊本地震でも示された「台湾の人々の迅速で心のこもった支援」への御礼や留学生に学んで欲しい「日本の心」、「日本の文化」など、来賓からは様々な言葉が語られたが、共通していたのは留学生が日台の懸け橋になってくれることへの期待であった。
その後、食事をとりながらの談笑、お楽しみ抽選会などのアトラクションの後、留学生会が中心になって歌う「愛拼才會贏~努力なくして成功なし~」に会場が手拍子で応えて和やかに会を締めくくった。