日台双方の健康産業に従事する企業がこのほど、MOUを締結した。工業技術研究院(ITRI)は10月12日、ホテルサンルート有明で日台両国のヘルスケア業界関係者らを対象に、「台湾・日本健康産業ビジネスマッチング及びMOU調印式」を開催。その調印式で締結が合意された。
このほどMOUを調印したのは、遠距離診察を可能とする「ポケットドクター」の開発企業であるMRT株式会社と台湾壢新病院、日本のヘルシーフード株式会社と台湾の聯新国際医療集団、障碍者の送迎業務を主とする台湾の多扶事業有限会社及び台湾仁美国際会社と日本のJTBコーポレートセールス株式会社。
概要は、ヘルシーフードと聯新国際医療集団高齢者用食品は応用協議で提携。また、MRTと台湾壢新病院は、MRTの「ポケットドクター」の台湾への導入を目的とし、同サービスは、スマートフォンやタブレットで遠隔診療や健康相談が可能となる日本初のシステム。海外への導入は台湾が初めてで、普及に向け目下交渉中だ。さらに多扶事業有限会社、台湾仁美国際会社、JTBコーポレートセールスとの間では、日本の高齢者及び障碍者が台湾へ長期滞在する際に活用可能な商品の共同開発を視野に入れ、障碍者の送迎業務を主とする連携を表明した。
家族が8年前に車椅子の生活を余儀なくされたことを契機に、現在の事業を開始した多扶事業有限会社の許佐夫社長は、これまで政府からの補助を一切受けることなく、全てを自費でまかなってきた台湾国内における車椅子送迎事業のパイオニアだ。「今後、日台双方の高齢者及び障碍者が、より安全且つ快適に互いの国に滞在することが出来るよう、日本企業と連携した上で、サービス向上を計っていきたい。ロングステイしたい国の1位になれるように我々も尽力したい」と述べ、同提携への意欲を述べていた。
※MOUとは了解覚書(Memorandum of Understanding)の略称。