台湾在日福岡留学生会(会長:九州大学 黃悠然氏)は12月10日、ホテルクリオコート博多にて平成28年の忘年会を開催した。
同会には、福岡を中心とした九州各県と山口県の大学や専門学校に学ぶ留学生、卒業して社会人になった先輩、留学生を支援する日本の人々など、100人を超す参加者が集い、旧交を温めたり新たに挨拶を交わすなど、懇親を深める中で2016年の活動を締めくくった。
会を代表して壇上に立った黃会長は、今年一年間に行った様々な活動を通じて会員の交流を深めることができたことを報告するとともに、非力な自分が会長職を全うできたのは、留学生仲間はもちろんここにお集まりの方々のお蔭であると感謝の言葉を述べた。次いで2017年の新会長 溫偉辰氏を紹介し、引き続きの支援をお願いするとともに、歳末の忙しい中ではあるが、この時間をくつろいで過ごして頂きたいと挨拶した。
来賓として最初に挨拶に立った台北駐福岡経済文化辦事處の戎義俊處長は、先ず多くの日本人が日頃から留学生を支援し、この会に参加してくれていることに対して台湾政府を代表して謝辞を述べた。
次に、初期の日台関係は台湾の「日本語教育世代」と、台湾で生まれ育った「湾生」と呼ばれる日本人の交流に拠るところが大きかったが、李登輝総統時代の歴史教科書の改編で日本について偏見なく教え始めたことがきっかけとなって30歳以下の年代層に親日友好の気持ちが広がっていること。その結果、国交が無いにもかかわらず観光客を含めた人的交流が今年中に600万人を超える勢いであること。また昨年日本の高校生の海外修学旅行先の1位が台湾になり28,000人の若人が台湾を訪れたことを挙げ、このような緊密な関係のバトンを留学生が引き継ぎ、末永く良好な関係を持ち続けるべく努力することへの期待を表明するとともに、日本の方々に彼らへの支援を切にお願いすると述べた。
そのほかの来賓からは、留学生に「専門分野以外の人とも付き合い、多くの引き出しを持って欲しい」こと。「卒業後も日本に根付いて、学んだことを生かしてほしい」ことなどが語られた。
また「何かあった時にはいつでもスタートできる気構えを示す『履物を揃える精神』や、人を送り出す時には相手の姿が見えなくなるまで見続ける『目送の心』などの日本のソフト面を感じ取り、今後に生かして欲しい」との話があり、留学生の多くが頷く場面があった。
その後、食事をとりながらの談笑、お楽しみ抽選会などのアトラクションを経て、有志が「愛拼才會贏(努力なくして成功なし)」を歌い、会場が手拍子で応えて和やかに会を締めくくった。