亜東親善協会は5月10日、ルポール麹町で通常総会及び懇親会を行い、皆が台湾支持との声を上げた。
同協会の大江康弘会長は懇親会の冒頭、「韓国や他の国で大統領選挙などが行われているが、世界がどんな政権になろうとも変わらないのは台湾と日本の関係。同協会は、台湾の国民が選んだ時の政権としっかり向き合っていきたい」と挨拶した。
台北駐日経済文化代表処(以下:代表処)の郭仲煕副代表は、現在台湾を取り巻く国際情勢の厳しさが増している事に言及し、8年間連続オブサーバーとして参加してきた世界保健機構の年次総会(以下:WHA)の招待状が未だ届かない事に対し、鳥インフルエンザの感染症など世界の人々の健康と福祉に関わる機関がこのような行動を起こすのは本当に残念だと強調した。さらに、昨年、国際民間航空機関総会に招待されなかった事にも言及し、「航空の安全に関わる情報は独自の力で得るしかない。現在台湾は国際機関の協力が得られない状況である事、どうか皆に理解してほしい」と台湾情勢の現状について述べた。
また、ジュネーブ条約に加盟していない台湾人に対し、国際免許証の発行との意見書案を北海道釧路市議会で可決するよう動いた衆議院の伊東良孝議員は、「日本と台湾はアジアの中で、唯一互いを理解し助け合っている国である。きな臭いアジア情勢が続いている中、信頼できるのは台湾だけだ」と主張した際には、拍手が上がり、会場皆の賛同を得る場面もあった。
さらに、台湾の立法院が対日本窓口機関である「亜東関係協会」が17日付で「台湾日本関係協会」へと正式に改名すると発表した事に対し、日本台湾交流協会の柿澤未知総務部長に問うと、「形式な所で喜ぶよりも具体的に動かなければいけない」と話したほか、WHAについても、「どのようにしたら台湾が参加できるようになるか、また、参加できなかった場合、別の形で台湾国民の健康を守っていくために、日本はどのような協力をすべきなのか考えていきたい」と話し、困っている台湾人に対し、一緒に解決方法を考えるのが日本台湾交流協会の在り方だと主張した。
なお、同日参議院議員の平野達男前復興大臣による「東日本大震災と次の災害に備えて」と題した講演会も開催され、平野前復興大臣は最後に、東日本大震災発生時、台湾人が炊き出し等様々な支援や物資を届けてくれた事に対し、感謝の意を述べたほか、台湾南部地震の際は、恩返しとして支援を行った事にも言及し、今後もこのような交流を深めていきたいと話した。
同協会通常総会は今年で第五回目を数え、新たな理事として、平野前復興大臣、岩城光英前法務大臣、埼玉県台湾総会の榎本有里名誉会長が加わった事も発表された。
懇親会には、郭副代表、伊東議員、平野前復興大臣、柿澤総務部長のほか、代表処の梁毅鵬顧問など多数の来賓が出席した。
(2017/5/11)