台湾大学生ら、日本食品の安心安全について見識深める

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日本台湾交流協会と中華経済研究院が共同で実施するプログラムの一環として、台湾の大学生及び大学院生30人がこのほど訪日し、日本の「食」に関する取り組みへの理解を深める事などを目的とした1週間のプログラムを行った。その成果報告会が7月19日に行われ、同プログラムで得た日本の食品安全と食育対策に対する見識を台湾人に深めていく事を目標に定めた。

プログラム参加学生と関係者で記念撮影

学生らは、同プログラム終了後のアクションプランとして、FacebookやSNSの「日本旅行」のページでプログラム中に感じた事や印象、写真などをアップしたり、拡散していく事で、日本食品が安全である事を発信していく模様だ。

学生によると、東日本大震災による福島の原発事故によって汚染された土地を浄化するため、農林水産省は土地を入れ替えたり、果汁の皮を少し削ったり、カリウムの肥料を水底にいれセシウムの吸収を抑制するなどし、災害後の日本政府が積極的に再建や土地保護に力を入れている事から食品が安全であるとの印象を持ったという。また、食品メーカーのカゴメは食品に対する取り組みが非常に厳しく、一番の基礎であるトマト農家に技術者を派遣して、アドバイスを行っているとの事。さらに、日本の食品には全てどこで生産されたかの情報がしっかりと記載されている事で、消費者の信頼を得ている事などを報告した。

学生によるワークショップ報告「日本の安全を台湾人に発信します」

参加した中山大学の研究生高嘉駿さんは「同プログラムに参加して、日本食品の安心安全の見識を深める事ができた。また、ホームステイをした時には、日本の高齢化問題が深刻であると感じたが、農業体験をした事で彼らは努力してブランドを守ろうとしているのだという事に実感した」と話した。また、国立政治大学で日本研究をしている王璻涵さんは、「台湾にいる時は日本食の安心さや安全の情報が少なかったが、同プラグラムに参加した事で、新しい情報が入ってきた事は本当に良かった」とコメントした。

左から高嘉駿さん、王璻涵さん、何思慎団長

なお、同プログラムは日本国際協力センター(以下:JICE)が主催の日本政府が推進する対日理解促進交流プログラム学生による「JENESYS2017」の一環として行われ、報告終了後には、JICE国際交流部の川越寛之部長が、学生に終了証の授与を行った。川越部長は、「日本の被災地の輸入制限がある中、台湾人に日本食の安全を理解してもらえた事はとても良かった」と述べ、学生らの今後のアクションプランにも期待を示した。

JICE国際交流部の川越寛之部長が学生に修了証を授与

また、団長を務めた輔仁大学の何思慎教授が団長総括を行ったほか、同報告会には、華経済研究院東京事務所の洪宜民所長、日本台湾交流協会の柿澤未知総務部長も出席し、講評を行った。

中華経済研究院東京事務所の洪宜民所長による講評

なお、学生らはプログラム期間中、厚生労働省主催や農林水産省主催の講義への参加、放射能検査場や企業の視察、さらには日本大学の学生らと交流を図り有意義な時間を過ごした。

(2017/7/20)