高雄市政府観光局主催による南台湾の観光PRイベント「南台湾color4」が8月7日、ホテルイースト21東京で行われ、高雄市の陳菊市長、台南市の頼清徳市長、屏東県の潘孟安県長、澎湖県の陳光復県長及び関連業者ら約100人が来日し、南台湾観光のプロモーションを行った。
なお、4都市地方政府が共同で海外観光プロモーションを行うのは初めてであり、今回は、高雄、台南、屏東、澎湖の四地をひとまとめにした5日間のツアーを企画し、同イベントに来場した旅行業者に南台湾観光の魅力を伝える事を目的とした。
同イベントでは、名前の通り多彩な観光イメージを示しており、夜景が綺麗な高雄は「紫」、歴史の象徴である赤い壁が至る所にある台南は「赤」、牧場が多い屏東は「緑」、そして離島である澎湖は海に囲まれ空も広い事から「青」をテーマカラーとしている。
当日は、台湾15年在住で、台湾の魅力を伝え続けるカリスマコーディネーターの青木由香さんが司会進行を務めるなか、4都市の市長県長が座談会形式でのプロモーションを行い、都市の魅力、観光の発展戦略、資源の統合、観光における期待について語った。
台南市の頼市長によると、台南には古い建物がたくさんあり、台湾本来の味をたくさん持っているという。人が暖かく、「自分の家に戻ったような居心地さ」が台南の魅力であると述べた。また、冬がないのが特色である屏東は原住民の伝統文化があり、客家集落が多い。屏東県の潘県長は、「バリ島にも負けないリゾート地もあるので是非遊びにきてほしい」とした。
なお、澎湖の陳県長は、日本統治時代中の1906年に澎湖馬公港で「松島(防護巡洋艦)の爆発事故」という事故が起きた事を説明。この事故は、松島艦内の火薬庫が爆発した事により松島は爆沈し、207人の日本海軍が亡くなったというもの。馬公市内には慰霊碑「松島艦遭難記念碑」があり、陳県長は、「日本人の歴史を知るためにも、南台湾に訪れてほしい」と述べた。
一方高雄市の陳市長によると、高雄国際空港は台北の桃園空港と比較して圧倒的に便が少ないため、交通部民用航空局の協力が必要だとした。将来的にはLCC(Low Cost Carrier)の普及が重要であると述べ、自由旅行による南台湾への日本人観光客増加に期待した。
なお、青木さんは企画された5日間のツアー内容について説明したほか、「南台湾には人懐っこく、親切な人がたくさんおり、先日南台湾に訪れた時、台湾に15年住んでいて忘れかけていたものが一瞬で蘇ってきた」と話した。
なお、同イベント終了後には懇親会も行われ、両国業者間の交流を深めたほか、抽選会では、4都市の業者幹部により抽選で当選した日本旅行業者にホテル宿泊券などさまざまなプレゼントが手渡された。
(217/8/8)