台湾交通部観光局(周永暉局長)と台湾観光協会(葉菊蘭会長)主催の観光セミナーが9月20日、帝国ホテルで行われ、周局長は今年の日本人訪台旅行客数200万人達成に向け、「友達333特別プラン」を実施する方針を発表した。同プロジェクトは、日本人が11月18日より“3”カ月以内に、“3”人一緒に台湾旅行し、“3”泊以上する事で、日本円3000円がプレゼントされるというもの。“3”に関してだが、熊をモチーフとした台湾観光局のマスコットキャラクター「喔熊(オーション)」と熊本県のゆるキャラ「熊本熊(くまモン)」と高雄市のゆるキャラ「高雄熊(ガオションション)の3キャラクターという共通点がある事も“3”という数字を起用した理由の一つだとした。
なお、見事台湾入国200万人目となった日本人には、台湾往復航空券、5つ星のホテル宿泊券、台湾有名ブランドの自転車、北部南部の温泉利用券、喔熊グッズの詰め合わせをプレゼントし、さらには喔熊が空港まで出迎えてくれるなどの特典もついてくるという。
また、周局長は、2020年までの4つの大きな目標も同時に打ち出した。2017年は森林ツーリズム、2018年は海湾観光ツーリズム、2019年はスローライフツーリズム、ロハス観光、そして2020年は山脈ツーリズムと、大きな柱を中心に観光を推進していくと主張。
さらに、大都市だけではなく台湾の地方に訪れやすくするため、地方の様々な場所にインフォメーションを設けたり、交通カードやホテル宿泊セットとなったマルチカードを作成、シャトルバスの充実化を図るなどし、日本人観光客を誘致していく。周局長は、「新しいものを常に取り入れ、変化しつづける観光を目指していきたい」とした。
一方葉会長は、昨年訪日台湾人観光客数が約429万人に対し、訪台日本人観光客数は約189万人と、この訪問者数のアンバランスには大きなプレッシャーがかかっているという。葉会長は、飛行機に関して、座席が足りない事や、便の時間帯について指摘。「時間帯に関しては不可能な事もあるかもしれないが、航空会社の力を借りながら全力で努力していく」と力強く強調し、「円満に200万人達成する事を約束します」と述べた。
台湾業界200人が来日し観光誘致を図る
台湾旅行会社やホテル業界など100団体、約200人が来日し同日、日本旅行業者らに対し商談会を行った。同商談会は、日本と台湾相互のニーズのマッチングを行う事が目的である。台湾業者はそれぞれ日本人来場者に対し自社PRを行った。
現在台湾では図書館と一体となった「誠品行旅」や、原住民の暮らしをモチーフとした「home hotel」など、通常のホテルとは一味違ったホテルが増えてきており、日本人にも受け入れられているという。今後日本の旅行会社と手を組む事で、宿泊者数をさらに加速させていきたいとしている。
また、食品業界も出展し、「世界巧克力夢公園(世界チョコレートワンダーランド)」では自分だけのオリジナルチョコレートマシュマロが作れたり、「パイナップル夢工房台北館」では、自分の好きな形のパイナップルケーキが作れるなど、現在台湾では“観る”だけではなく、体験型の観光もできる事をアピールした。
一方、来場した日本旅行業者によると、最近はバスタブ付きやウォシュレットトイレなど日本人旅行客のリクエストも多く、同商談会では旅行客のニーズに合うホテルを探しに来場した。台湾の業者が多数集まるこのような商談会があると、一度に多くのホテルを視察できるので、有難いとの事。
なお、同日夜には懇親会も開催され、駐日経済文化代表処の謝長廷代表、日本旅行業協会の田川博己会長、台日観光促進会の招集人である楊重義氏らも参加した。
(2017/9/21)