葉名樺(ダンス) ✕  渡辺豪(3DCG)の融合が実現!

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蝶々のような、軽やかなイメージを表現

 

台湾の新進気鋭として知られる葉名樺さんのダンスと渡辺豪氏の3Dコンピュータグラフィクス(3DCG)作品が融合したパフォーマンスがこのほど10月7日、横浜市民ギャラリーあざみ野展示室1で披露された。このパフォーマンスは、渡辺豪の個展「ディスロケーション/dislocation」(開催期間10月7日~29日)のオープニング日に合わせて行われたもの。会場には約60人の観客が来場し、一切音を使用しない葉名樺さんのダンスに魅了された。

時間の表現者とも称されている葉名樺さんは、プロジェクターで投影された渡辺豪氏の作品を背景に約45分間、3段階に分けたパフォーマンスを披露した。パフォーマンスのなかでは、元々ある自分の姿から軽やかな蝶々のイメージを経て、最後は現在の自分へと展開していく様子を体全体で表現した。

なお、パフォーマンスは葉名樺さんによって全て考案された。渡辺豪氏の作品を何度も研究し、「なぜこの作品を作ったのか」をしっかり理解してから自分のダンスを考えたという。「ストーリー性あるこの作品を壊さないようどうパフォーマンスするか、これを考える事が一番の課題だった」(葉名樺さん)。

葉名樺さん、60人の観客を魅了

さらに、渡辺豪氏とは創作中に直接会って話す事ができず、メールでのやり取りが中心だったそうだ。葉名樺さんは「理解できない所は自分の頭の中で想像するしかなかった。でも、この想像の空間が生まれた事が返って良い表現力に繋がり、パフォーマンスに生きていた」と話した。

体全体を使って表現したダンスを披露した

一方、当日パフォーマンスを見た渡辺豪氏は、「葉名樺さんは僕の作品を意識して動きをつけてくれたので、作品とマッチングしていた。自分の作品に何かが加わる事は初めてだったので、新鮮で嬉しかった」と話した。

なお、2人の融合パフォーマンスを企画したのは、同ギャラリー主席学芸員である天野太郎氏だ。天野氏は昨年、台北で行われた展示会で葉名樺さんの作品を見て感激し、日本でどうにかコラボレーションができないか考え、今回オープニング日に合わせて同パフォーマンスの披露に至った。

 

葉名樺さんはアジアン・カルチャル・カウンシル台北(ACC、アジア諸国感における文化交流を支援する非営利財団)から2018年度個人フェローシップ助成を受けており、来年8月より3ヶ月間、日本に滞在する事が決まっている。日本が小さい頃から大好きだと話す葉名樺さんは「私は挑戦する事が好きなので、日本では舞踊を習うつもりだ」と話した。

葉名樺さん(右)・当日スタッフとして参加した日本で活躍するバレリーナ林彦均さん

 

(2017/10/10)