台湾のスタートアップ・ベンチャーが西日本鉄道グループと提携

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提携を発表する藤田浩展(左)、廖聰哲(中)、榎本裕二(右)の三氏

福岡市のスタートアップ支援を受けた台湾のソフト開発ベンチャーの日本法人であるゴルフェイス株式会社(廖聰哲社長)が、私鉄大手の西日本鉄道株式会社 (倉富純男社長) 及び西鉄旅行株式会社(瀬口龍也社長)と提携してゴルフのインバウンド客拡大に乗り出す。

12月6日に西日本鉄道本社でゴルフェイス・廖聰哲社長、西鉄・藤田浩展上席執行役員事業創造本部長、西鉄旅行・榎本裕二インバウンド室長らが発表した。

ゴルフェイス社は、プレー予約、コース紹介、カートナビ、スコア管理などを一括管理できるゴルフのワンストップサービス「Golface」を開発販売しており、福岡市が大名小学校跡地に作った国際インキュベーション施設「FUKUOKA Growth Next」に入居している。同施設への台湾企業の入居については福岡市・高島宗一郎市長と台北市・柯文哲市長との間で覚書も交わされており、国際的なベンチャー育成支援がさっそく実を結んだものと関係者は歓迎している。

 

「FUKUOKA Growth Next」

 

ゴルフェイス社と西鉄グループの出会いは、2016年12月に西鉄がスタートアップ企業のアイデアや技術を取り入れるために事業提案(オープンイノベーションプログラム)を募集したことにある。それに内外の48社が応募した中でゴルフェイス社ともう一社が最優秀賞に選ばれた。

オープンイノベーションプログラムの募集チラシ

 

最優秀賞の受賞式

 

西鉄ではゴルフェイス社の提案を最優秀賞に選んだ理由として、内容が西鉄グループのリソースをうまく活用できるものであったこと、日本のゴルフ場からのプログラム変更要求等に丁寧に応えてくれたこと、仕事全体がスピーデイだったことを挙げた。

西鉄グループでは、今回の事業提携の最初の取り組みとして12月18日~ 22日に台湾からの訪日客20人が参加するゴルフツアーを実施する。筑紫ヶ丘ゴルフクラブ、麻生飯塚ゴルフ倶楽部、福岡国際カントリークラブの3ヵ所でのプレイを中心に、太宰府観光列車「旅人」を使った観光やマリエラの博多湾クルーズも予定する。4泊5日の西鉄グランドホテルでの宿泊、食事、移動、観光、ゴルフプレイのすべてを含めた代金約20万円は通常のツアーに比べると高額だが、ゴルフを中心に福岡の魅力を満喫してもらえるワンストップツアーを実現できると胸を張る。今後台湾の富裕層向けに年間3~4回のツアーを行う予定をしており、2019年度には利用者1,000人、売上高1億円を目指す。

今回の来日メンバーの募集には、「Golface」ソフトの販売を通じて台湾のゴルフ場と強い関係を持つゴルフェイス社の協力が大きく、今後もプロジェクトに対する同社の協力は欠かせないが、逆に西鉄からは、ゴルフェイス社のソフトを今後3年間で九州中心に50カ所程度のゴルフ場で使ってもらえるように販売協力する考えだという。

ゴルフェイス社の廖聰哲社長は、「西鉄グループから業務提携のチャンスをもらったことを感謝したい。今回のツアーの実現は小さな一歩だが、我々のソフトがインバウンド客を増やし、日本のゴルフ場の活性化につながるかも知れない。ここで生まれた小さな芽を引き続き温かく見守っていただきたい」と締めくくった。