「台湾より愛をこめて」三原監督にインタビュー

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台湾でアイドルになるというプロジェクトを実施するため、活動拠点を台湾へ移し、「三原(SANYUAN)」の愛称で台湾人から親しまれている三原慧悟氏。現在YouTube のオフィシャルチャンネルには約50万人ものフォロワーがいる程の人気者。「日台架け橋」のユーチューバーとして日台両国で活躍中だ。その三原氏がこのほど、「台湾より愛をこめて」と題する映画のメガホンを取った。商業映画としては初監督作品となる。この映画は台湾を舞台に、夢を追う男2 人の珍道中をドキュメンタリータッチで描いた青春ロードムービー。3月16日に台湾で、3月24日に日本で公開を開始している。今回、三原監督来日に合わせ、本紙が単独インタビューした。

 

Q:映画を撮るきっかけは?

A:プロデューサーより、「台湾に関する旅物の映画を一本撮れないか」と言われ、もともと大学時代に映画監督を志していた事と、台湾の魅力を伝えたいと思っていた事もあったので、チャレンジする良い機会だと思って映画撮影に至りました。映画と同様、僕がお笑いを目指していた時、相方がいたのですが、喧嘩した訳でもなく、言い争いをした訳でもないけど、一緒に何かをできないという事にぶつかった時がありました。その悔しさもあり、この映画を制作するに当たって、僕ら二人の友情を自分のなかで肯定したくて、「こういう男の友情もあるんだ」という事を落とし込みたいという気持ちで撮りました。

Q:夢を追う物語だが、三原監督も夢を追う事に強い気持ちがあるのか?

A:僕も会社をやめて、夢を追っている最中なので、強い気持ちはもちろんあります。強い気持ちがあるからこそ、夢を追う事が簡単ではない事を知っています。でも、映画で「夢は追わなきゃいけないもの」と、人に押し付けたい訳ではありません。夢を追う大変さを感じているからこそ夢に対して悩んで諦める人もいます。でも、夢を諦めるという事も、夢に対して真面目に向き合った結果。そういう自分の大事な部分にちゃんと向き合ってる人をこの映画で撮りたかったです。

Q:台湾でも公開と聞いたが。

A:そうなんです。最初は日本だけのはずだったのですが、嬉しい事に台湾で先に公開されました。字幕は僕もチェックしてばっちりでした。でも、台湾人の反応が怖いですね。台湾人はどちらかというと良い意味で空気を読まないのですが、主役の二人は、友達なくせにお互い空気読んで、絶対直接的には言わないので、すごい日本人的なんですよ。その部分が台湾人に伝わると良いのですが。

Q:映画志望と日台の架け橋という部分がマッチングしたタイミングだったのでは?

A:やっぱり日本と台湾ほぼ同時公開というのは嬉しいですね!自分がユーチューバーになったきっかけは、人と同じ事しかしていない自分が、動画クリエーターとして人と違った作品を作れる自信がないと悩んだ結果、新しい道に踏み出そうと思った事だったので、こういう形で、自分の撮った映画が、日本と台湾両国で公開される事になって、撮った甲斐があったなと嬉しく思います。

Q:シーンの中で、一番注目してほしい部分は?

A:台湾の魅力を大事にしようと思っていたのですが、台湾では「人」が台湾一番の景色と言われるくらい人が温かいんでよ。なので、役者でもない一般の方とのコミニュケーションを映したいと思い、お店に入った時や、バスの移動中のシーンなど常にハンディカメラを回していました。その部分に関しては偽りも演出もないそのままの部分なので、注目して頂きたいです。

Q:三原監督にとってこの映画は?

A:僕自身が、会社をやめてアイドルになると言った時、多くの人が僕から離れていったのですが、唯一僕の相方だけが「またわけ分からない事言ってるよ」と言いながらも付いてきてくれました。自分はそういう人がいなきゃ何もできないんだなと思っている部分もあり、この映画では「感謝を伝えたい」という自分の中での裏テーマがあります。もちろん映画のなかでは触れられていないけど、この映画を制作する事自体が、相方への感謝だと思っています。でも、恥ずかしいから相方には言ってません(笑)。

Q:映画で伝えたい事は?

A:まず日本の皆さんには映画を通して主人公2人と一緒に旅をしてもらい、台湾の魅力を知ってもらいたいです。また台湾の皆さんには、主人公2人からの台湾への愛が伝わったら嬉しいです。そして何より一番は、情け無くて仕方ない男二人の、人間としての可愛らしさが伝わったら嬉しいです!