台湾の新北市江翠國民小学(以下:江翠國小)の呉昌期校長率いる北管クラブの教師及び生徒ら約19人は3月22日、リコー テクノロジーセンターで海老名市有鹿小学校の5年生生徒ら39人と交流事業を行った。
同事業の実施はこれが初めて。海老名市の内野優市長も自ら駆けつけたほか、海老名市教育委員会の伊藤文康教育長も交流を見守るなど、市をあげて同事業に注目している様子が見受けられた。
同交流は、「日本で北管を披露する機会が欲しい」という呉校長の想いのもと、横浜地区の在日台湾人華僑の翁照美さんがアテンドし、台北駐日経済文化代表処横浜分処の陳桎宏処長の学校紹介により実現したもの。
当日は、北管の演奏を有鹿小学校の生徒に披露したほか、折り鶴製作や昼食などを通じて日本と台湾の小学生同士が熱心に異文化交流をした。中には、この日の為に覚えて来たのであろう日本語や中国語を慣れないながらも話してみるなど、一生懸命にコミュニケーションをとっている生徒もいた。
伝統芸能・北管を守る江翠國小
北管は、台湾に古くから伝わる古典芸能の一つ。中国大陸から伝わった北方系の演劇及びその伴奏音楽の事を指し、台湾では今でも「工尺譜」という独持の音符を使用している。
江翠國小では、呉校長が赴任した後、同校のすぐ近くに住んでいる、映画「海角七号」に出演していた戲曲楽師の「茂伯(本名:林宗仁)」さんにお願いし、北管クラブが設立されたという。今のクラブは小学3年生から6年生の有志で結成されており、放課後の時間を使って練習に励んでいるという。今回は、初めて同校の北管演奏を日本で披露するという事で、茂伯さん夫人及び、北管クラブの教師を務める茂伯さんの親戚らも同行していた。なお、5泊6日の日程で一行は静岡県南伊豆町立南伊豆東小学校との交流や、企業訪問、観光なども行っていた。
呉校長は、「今回は皆さんに北管の演奏を聞いて頂けて、本当に嬉しかった。今後も演奏の機会を増やし、子供達に伝統芸能の素晴らしさを伝えていきたい」と期待を述べた。