台湾経済部国際貿易局が主催し、台湾貿易センター(TAITRA) 福岡事務所が実施した「台湾見本市産業ビジネスセミナー及び交流会」が7月10日、ホテルオークラ福岡において開催され、日本の見本市主催者、会場施工業者、展示物運送業者、旅行業者、メディアなど約40人が参加した。
同セミナーは、6月に福岡、大阪、東京で開催された「台湾MICE産業説明会及び交流会」を受け、それをバックアップする公的な機関や会社をPRしようとするもので、台湾の見本市運営・マーケティング調査・広告・会場設営・ケータリング・展示物運輸などに携わる9社が、それぞれの得意分野や実績についてプレゼンテーションを行った。MICEは、企業や組織の会議(Meeting)、報奨・研修旅行(インセンティブ旅行)(Incentive Travel)、国際会議(Convention)、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)の頭文字をとったものであり、多くの集客交流が見込まれるビジネスイベントなどを総称するが、見本市はMICEの中核的な役割を果たしている。
訪問団を代表して開会の挨拶に立ったTWO-WAY COMMUNICATIONSの劉致尭ゼネラルマネジャーは、福岡の企業に台湾で開かれる見本市への出展を呼びかけるとともに、各種の催しに対するインセンティブ旅行を検討してもらいたいと述べた。
劉団長は国際見本市協会の統計を引き合いに、2016年において開催された見本市が日本は333回(総面積 206万平方メーター)でアジアで2番目、台湾は132回(総面積81万5千平方メートル)でアジアで6番目の規模に達していることを指摘し、両者にとって、見本市が重要なマーケティングファクターになっていると述べた。更に小さい国ながらも積極的に見本市を開催し、環境への配慮、サービスの差別化を図っている台湾を評価し、協力することで両国の見本市産業、ひいてはMICE産業の発展を図ることに期待を表明した。
また、劉団長は台湾における見本市の多くが台北で開催されているものの、台中の機械展や高雄のクルーザー展など、地方の見本市が大きい成果を上げていることに触れ、発展を続ける福岡と台湾の有力地方都市が力を合わせることによって、これまで以上に大きいビジネスチャンスを見つけ出せるだろうとの見通しを語った。
続いて、本訪問団に参加した9つの団体や企業からそれぞれの活動内容や、得意分野の詳細がビデオやスライドを使って示され、日本企業とのコラボレーションに強い期待を感じさせた。
各社のプレゼンテーションの後は、個別の相談・商談会が団体・企業ごとのテーブルで制限時間いっぱいまで行われ、見本市産業における連携についての日台両国の関心の深さを覗かせた。