台湾政府は、このほど西日本を襲った記録的豪雨により甚大な被害を受けた被災地に義援金として2000万円を寄付した。義援金は今後、日本赤十字社を通じ、被災地支援に充てられるという。台北駐日経済文化代表処(以下:代表処)の謝長廷代表は国を代表し、「被災地の復興に役立てれば」と想いを語った。
義援金の寄託式は7月12日、対台湾窓口機関である日本台湾交流協会(谷崎泰明理事長)の東京本部で行われ、代表処の謝代表は寄付目録を同協会の谷崎理事長に手渡した。謝代表は、「同豪雨のニュースを見るたび、1日でも早く支援したいと思っていた」と胸中を明かし、「台湾と日本は共に自然災害が多い国であり、災害が発生するたび助け合う伝統ができている」と述べた。
一方、目録を受け取った谷崎理事長は、台湾の蔡英文総統が豪雨発生直後、ツイッターで贈った言葉温まる支援メッセージに対し、日本の安倍晋三首相が中国語の繁体字を用いて謝意を示すなどのやり取りがあった事に言及したほか、「未だ救援活動が続いているが、今回の義援金と台湾の方々の心温まる強いメッセージを受け、一刻も早く復興を遂げたい」と話した。
なお、寄託式後台湾記者団より「台湾の国民から義援金を寄付したいとの声がある。窓口を設立するべきではないか」との質問を受けた謝代表は、台湾で募金ができる体制を整えていきたい旨を示した。さらに、今後は台湾観光局と調整しながら被災地観光による復興支援を考えている事も示唆した。
台湾は2011年に発生した東日本大震災で200億円超の義援金に加え、熊本大地震、九州北部豪雨など日本で災害が発生するたび支援やお見舞いメッセージを贈ってきた。日本もまた、台湾で災害が発生すると義援金を寄付しており、相互支援を重ねてきた。謝代表はこれについて「交流の最高の目標はいざというときに助け合う事。これは『善の循環』だ」と述べている。