日台は多くの価値観を共有するパートナー福岡107年 国慶酒会

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台北駐福岡経済文化辦事處等が主催する「慶祝中華民国(台湾)107年 国慶酒会」が10月5日、ホテルオークラ福岡で開催され、九州・山口選出の国会議員、各県の役職者や議会関係者を始めとする700人超が駆けつけ、大いに盛り上がった。

福岡工業大学吹奏楽団による台湾、日本両国の国歌演奏

祝賀会は福岡工業大学吹奏楽団の台湾、日本両国国歌の演奏でスタートし、新しく福岡辦事處處長(総領事)に就任した陳忠正氏が最初の挨拶に立った。

挨拶する陳忠正総領事

陳處長は新任の総領事として当地の方々に出会えたことの喜びを伝え、早いうちに美しい景色や豊かな食に溢れ、暖かい人情と友情がある九州・山口の各地を訪問し、その素晴らしさを体験したいと述べた。更に観光、経済、文化、科学技術、青少年などの様々な分野において台湾と九州・山口が交流を一層深めるための架け橋となる決意を表明して、来場者から強い支援と協力を表す拍手が贈られた。

次いでマイクを引き継いだ謝長廷駐日代表處處長(駐日大使)は、冒頭九州・中国地方を襲った台風や豪雨などの被害に遭った人々を気遣い、一日も早い復興に対する祈念を表明した。その中で台風や地震など共通の自然災害を持つ日本と台湾が家族のように助け合う「善の循環」が出来ていることに触れ、両国はまさに「困ったときの友こそ真の友」という関係にあるとして、会場の大きい拍手を浴びた。

日台間の「善の循環」について述べた謝長廷大使

謝大使は着任後2年半で47都道府県を回ったこと。各地がそれぞれ地域ベースで観光、文化、教育、経済面で台湾と深い関係を持っていることに気づいたこと。これらの関係を基盤として今年7月に高雄で開催された「日体サミット」に日本から300名を超える地方議員が参加したこと。そこで台湾のCPTPP(包括的および先進的環太平洋パートナーシップ協定)参加への支持が採択されたことに対する感謝を表明し、日本主導のCPTPPに大きい期待を寄せた。

更に今年107回目を迎えた国慶節の意味について、次のように述べた。

国慶節は1911年にアジアで最初の民主共和国として中華民国が誕生したことを祝すものであるが、当時の理想はいま台湾で実現している。それは「世界報道の自由度ランキング(国境なき記者団)」で台湾がアジア・ナンバーワンに評価されていることにも示されている。

一方、そのような理想の追求が国際機関への台湾の参加妨害や台湾の国名を「中国台湾」と表記させようとする中国の圧力によって脅威にさらされている。しかし台湾社会はこれに屈することなく一致団結し、自由と民主主義を守ろうとする力は圧力に反比例して勢力を増しつつある。

日本では昔から「奢れるものは久しからず」と言う言葉があるが、台湾にも同じような諺があり、他国が台湾の意思を無理やり力で抑え込む事はありえない。そのようなやり方は、人々の反感と怒りを買うばかりか世界各国の警戒心を引き起こして決して長くは続けられない。

台湾と日本は「自由」、「民主」、「法による支配」など、多くの価値観を共有するパートナーであり、台湾は今後もアジアの民主主義の模範として発展を続けてゆくが、それには日本との一層の関係強化が欠かせない。

 

要所要所で大きな感動と拍手を呼んだ謝大使のスピーチの後、多くの来賓から様々に祝辞や日台関係強化への決意が述べられ、一息ついたところで美味しい食事をとりながらの談笑やお楽しみ抽選会があり、700人を超す人々のあちこちで新しい絆が生まれ、関係を深める宴となった。

多くの人々が国慶節の意味を噛みしめながら絆を深めた