九州歯科大学(北九州市)と台湾の衛生福利部(厚生労働省に相当)は5月10日、口腔ケアで健康を増進するための連携協定を締結した。協定は地方大学と外国の政府の間で結ばれるという珍しいもので、西原達次学長と陳時中部長(大臣)が調印した。
協定の主要な狙いは2つあり、その第一は、日台両国ともに人口の高齢化が急速に進展する中で、歯周病患者が増え、その病菌が体内を巡ることで引き起こされる循環器系疾患の増加に対処することへの情報提供と研究協力。第二は歯科衛生士の機能が制度化されていない台湾に日本の歯科衛生士の役割を紹介し、ドクターの診察・治療レベルを一層高度化しようとすることである。そのため今年度、九州歯科大学出身の歯科衛生士を台湾の大学病院などに派遣して実務に携わることも盛り込んだ。
連携協定の締結に先立って行われた「アジア太平洋国際カンファレンス・イン・フクオカ」は、アジア各国の歯学部、歯科大学との連携を目的として2013年から毎年九州歯科大学が開催しているものであり、第7回目の今年は台湾との交流をテーマとした。
プログラムの第一部では、主催者挨拶、来賓の祝辞に続いて、台湾と日本の「健康及び福祉の展望」や「歯科医学教育の現状」についての基調講演、「歯科医師、歯科衛生士によるオーラルヘルスの増進」などの特別講演があり、教員、学生、留学生など約400人が熱心に聞き入った。
その後、ポスター発表と福岡在住の台湾留学生による音楽イベントなどを挟んで第二部の「Taiwan Night Festival」に移り、美味しい料理を頬張りながら交流を深めた。