台湾総統選挙の予備選挙で7月15日、野党国民党の候補者選挙で韓国瑜(高雄市長=62)が勝利した。事実上の一騎打ちだった対立候補の鴻海精密工業の郭台銘(前会長=68)は敗れた。支持率は韓氏44.8%、郭氏27.7と約17ポイントの大差がついた。
韓氏は2018年末の統一地方選で「韓流」と呼ばれた党内の支持を着実に固め勝利した。一方、敗れた郭氏は鴻海の創業者としての知名度や資金力を生かして戦ったが、裏付けのない政策や失言などが相次ぎ失速。8日から14日の間に実施された世論調査では、選挙直前まで韓氏に数ポイント差まで迫っていた。この結果を受け郭氏は、離党して参戦するとの憶測も流れたが、15日午後に予定していた記者会見を中止。声明文を発表するとしている。大差での敗北結果を受け入れるかどうかが注目される。
韓氏は結果発表後、台北市内の国民党本部で「蔡英文政権はこの3年間、台湾にどんな希望をもたらしたのか」と話し、政権奪還に意欲を示した。