香港区議選で民主派議席が8割超

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香港区議選で民主派が圧勝を知って喜ぶ支持者ら(写真提供:自由時報、美聯社)

香港で11月24日に投票が行われた区議会(地方議会)議員選挙で、民主派が圧勝した。香港メディアによると、民主派は全452議席のうち8割超を獲得し、選挙前の約3割から大きく躍進した。民主派はこの区議選を「デモの賛否を問う住民投票」と位置づけられ、デモ支持の民意が示されたとして、今後は普通選挙などの要求をさらに強めるものとみられる。

民主派が区議会選で過半数以上を獲得するのは1997年の中国返還後22年ぶりで初。投票者数は約294万人と前回から倍増した。暫定の投票率も47%から71.2%に達するなど中国返還以来の直接選挙で過去最高を記録。6月に大規模民主化デモが始まって以来初の主要選挙のため、有権者からの関心は高まっていた。

票を投じるために並ぶ人々(写真提供:中央社)

この区議会選は、議員1人を選出する小選挙区制度のため、区議会は、香港政府トップの行政長官を決める選挙委員1200人の1割程度にあたる117人が割り当てられる。香港メディアによると、民主派は22年の行政長官選で117人すべての選挙委員枠を獲得する見通し。

民主派の圧勝による選挙結果を受け、デモ参加者が標榜している「五大要求」がさらに強まるものとみられる。五大要求のうち、デモのきっかけである「刑事事件容疑者の中国本土への引き渡しになる逃亡犯条例改正案の撤回」は実現したが、「デモを暴動とする政府見解の撤回」「デモ参加者の逮捕・起訴の中止」「警察の暴力行為を調べる独立調査委員会の設置」「普通選挙の実現」など4つの要求は残る。

なお、区議選前にはデモによる交通妨害などで選挙を円滑に実施できるか疑問視されていたが、選挙直前の過激なデモ活動はなく、予定通り全選挙区で投票が行われた。