台湾台南市で12月1日、日本が統治していた時代に建造された「ハヤシ百貨店」の創業88年の祝賀パレードが開催され、25団体、約500人の参加者が独自の衣装などで身も纏い市内を練り歩いた。
ハヤシ百貨店は1932(昭和7)年12月5日、当時、台湾南部で最大規模を誇る現代的なデパートとして開業したが、第二次世界大戦終戦後に廃業した。その後、建物が1998年に台南市の古跡に指定され、同市政府が老朽化した建物の修復に着手。同市が地元企業に運営を委託して2014年、「林百貨」としてリニューアルした。それ以降はハヤシ百貨店の周年記念として「モダンパレード」を毎年実施している。
今年のテーマは1930年代の台湾で流行した音楽。作曲家の鄧雨賢さんや台湾語歌謡の劇団員らもパレードに加わり、雰囲気を盛り上げた。また、参加者らもレトロ感あふれる衣装に身を包んでいた。なかには埼玉県本庄市の吉田信解市長も、同市のマスコット「はにぽん」と共に日本から駆け付けた。
黄偉哲台南市長は「同市のランドマークというだけでなく、文鄧化、歴史を人々の心に刻み付ける存在になってほしい」と話した。さらに「1624年にオランダ人によって開かれた台南の歴史が、2024年で400年になる」と説明。この節目に向け、「モダンパレードをさらに盛り上げ、外国人も訪れるイベントにしていきたい」と期待した。