蔡英文総統が台湾総統選に再選~二期目の台湾総統に

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(写真提供:中央社)

台湾総統選が1月11日、台湾国民の直接投票により即日投開票が行われ、与党民進党の現職蔡英文総統が当選した。立候補は蔡英文総統と最大野党、国民党の韓国瑜高雄市長、野党、親民党の宋楚瑜主席の3氏だったが、事実上、韓国瑜高雄市長との一騎打ちとして争われていた。投票率は74.9%(得票率約57%)に達し、蔡氏は817万票余りの得票数を獲得するなど、過去最高だった。台湾全国民からの高い関心が示された結果だった。韓氏は552万票余り(得票率38%)にとどまった。

当選した蔡英文総統は「台湾民主主義を強固なものにしたい」と改めて強調した。また、1月12日未明に「台日の絆を深めていきたい」と自身のツイッターに日本語によるメッセージを投稿した。

蔡総統は選挙戦の終盤の演説で「香港の若者たちは、彼らの命、血と涙を使って、一国二制度はダメだという事を私たちに示してくれた。明日、民主の砦(とりで)を守ると世界に伝えなければならない」と強調。一方の韓氏は、「未来の台湾を変えなければならない。中国との経済面での優位性が今後の台湾にとって不可欠である」と経済重視の意向を訴求していた。

 蔡氏は2016年5月の総統初就任後、これまで「軍人・公務員・教員の年金制度改革」「労働基本法の改正」「同性婚特別法」などの政策を打ち出している。2018年11月の台湾統一地方選で与党、民進党が大敗し、一時は再選が危ぶまれていた。台湾国民の民意による今回の選挙結果により、2020年5月20日より二期目(四年間)の台湾総統に就任して政権を握る。

今回の総統選の高い投票率の背景には、19年1月に中国の習近平国家主席が「一国二制度」による台湾統一への言及や同年夏以降の香港での反中デモ激化などにより、台湾世論に対中警戒感が広まった影響があるとみられる。

なお、同日、立法院(国会=定数113)選挙も同時開票され、現68議席の民進党は61議席を確保し、過半数の57議席以上を獲得して第一党となった。なお国民党は38議席にとどまった。