台湾高雄市で5月6日、韓国瑜市長の解職請求(リコール)の是非を問う投開票が行われ、圧倒的な票数で解職が決まった。台湾で県や市の首長解職が決まる「罷免規定」が適用されるのはこれが初めて。近く解職が正式決定し、三か月以内に市長選が行われる。
高雄市選管によると、解職賛成票93万9090票に対し反対票はわずか2万5051票だった。なお、投票率は42.14%だった。
韓国瑜市長は2018年11月の市長選で庶民派として人気を集めて就任した。市長就任後間もなく総統選出馬を決め、投票前の三か月間は市長職の休暇を取得して総統選に臨んでいた。総統選に落選した後、現職に職務復帰したが、市民団体などから「無責任で信用できない」として約40万人のリコール請求署名を集め、解職請求されていた。
韓市長のリコールについては、市民団体から2019年12月26日に2万8千の署名が集まっており、第一段階をクリアしていた。その後、第二段階では22万8千以上の署名が必要だったが、4月中旬の段階で規定の署名数40万をクリアしたため、解職請求の投票が行われた。なお、台湾の地方首長の罷免規定によるリコールは「提案」「署名」「住民投票」の三段階があり、この規定のいずれもクリアしたため、解職が決まった。