1月から5月の輸出額が増加

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台湾の1月から5月の輸出額が増加(写真提供:自由時報)

台湾財政部はこのほど、今年5月の台湾の輸出額が270億米ドルだったと発表した。前年同月比2%の減少だった。台湾の月間輸出額が、前年同月を下回るのは3か月連続。5月の輸入額は222.8億米ドルで、前年同月比3.5%の減少となった。また、1月から5月までの輸出額は1309.1億米ドルで、前年同期比1.5%の増加となった。一方、1月から5月の輸入額は1144億米ドルで、前年同期比1.4%増加となった。輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は165.1億米ドルの黒字。また、1月から5月の貿易黒字は、前年同期比3億米ドルの増加となった。

 台湾財政部統計処の蔡美娜処長は、「新型コロナウイルスのまん延は世界のエンドユーザーの需要に打撃を与え、また生産と販売の秩序や原料の国際相場に影響した。このため5月は主要な11の輸出品目のうち、8品目で輸出が減った。特に従来型産業でそれが目立った」と述べた。また、消費意欲の落ち込みや、原油の国際価格の値崩れ、さらに企業による生産能力の調整、アパレルの販売不振、在庫の急増などが原因となり、5月は鉱物の輸出が57.3%減少、紡織品の輸出が35.1%減少した。なおこの減少幅は歴代2位。このほかゴム・プラスチック、化学、基本金属およびその製品についても輸出が15%から20%程度減少した。

 一方で好調だったのが電子製品の輸出。5月の電子部品の輸出額は102.4億米ドルとなり、5月としては過去最高となった。前年同月比で13.2%増加し、13か月連続の増加となった。また、2ケタ成長は6か月連続(旧正月の要素を排除した場合)だった。主に5G、高性能計算、AIなど新興テクノロジーの商機の高まり、テレワークの普及などがその要因だ。

 5月はまた、通信関連製品やオーディオ・ビジュアル製品の輸出が前年同月比10.9%増加し、過去3番目の高水準となった。台湾企業が生産拠点を台湾に戻し、テレワークや在宅授業などの「巣ごもり経済」の需要の高まりから、クラウドの運用が企業によるデータセンター設置を刺激し、インターネット通信関連の商品需要を押し上げたと考えられる。