10月7日にホテルオークラ福岡で開催された「李登輝元総統を偲ぶ会」に弔問された株式会社関家具の関文彦社長、眞沙子夫人への返礼に27日、陳忠正・台北駐福岡経済文化弁事処処長(総領事)と陳婉蘋夫人が大川市の関家具本社を訪れ、李登輝元総統と関社長との交流などを中心に話が弾んだ。
関社長と台湾との関係は、タンスなどの「箱物」全盛だった時代に台湾のメーカーにベッド、ソファ、テーブル、椅子などの「脚物」を発注し、輸入販売したことから始まった。これは関社長が1974年、1975年にアメリカ市場を視察した際、「箱物」と呼ばれる収納家具の大部分がビルトインになっていることに気付いたこと、並びに日本のその後の生活が洋風化することを見越して方向転換したことがきっかけになっている。台湾とのビジネスが会社発展のターニングポイントになったというわけである。
現在も新型コロナウイルスを不活化するコワーキングスペースを台湾に発注し、輸入販売している。
こうして何度も台湾を訪れたり、日本と台湾の深いつながりを知る中で、仕事にとどまらず、「博多21の会」、「台湾慰霊訪問団」、「福岡県郷友連盟」などの活動で訪台を重ねるうちに李登輝元総統と知り合い、大いに薫陶を受けたという。
関社長は台湾の若い人を応援することにも熱心で、留学生への様々なサポートや九州学生ゴルフ連盟が主催する学生ゴルフ大会に台湾の学生を招待するための資金支援もしている。もちろん日本の大学を卒業した台湾人を雇用し、技術を伝えることにも余念がない。
関社長は「楽しくなければ仕事じゃない。やりたいことをどんどん提案して欲しい。失敗しても文句は言わず責任は全て社長が取るから思い切りやってもらいたい」という姿勢を持ち、現代人のライフスタイルや暮らしのニーズを、言わば「社員という先生から学ぶ」という信条を貫いている。
台湾との交流においても、この信条でWin-Winの関係を築いていくものと期待されている。