「台米日インド太平洋安全保障対話」シンポジウム、台北で開催

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蔡英文総統は開会式の祝辞(写真提供:自由時報)

中華民国台湾外交部の委託を受けた台湾の遠景基金会(The Prospect Foundation)、米国のプロジェクト2049研究所(Project 2049 Institute)、日本の日本国際問題研究所(JIIA)の3つのシンクタンクは12月8日、台湾台北市内のホテルで「インド太平洋及び台湾海峡情勢の挑戦と契機:2020年以降」をテーマに「台米日インド太平洋安全保障対話」シンポジウムを開催した。

この中で「国会議員対話」のセッションでは、米下院のアミ・ベラ議員、日本の鈴木馨祐衆議院議員、台湾の羅致政立法委員(=国会議員)、陳以信立法委員、林昶佐立法委員などがパネリストとして意見を交換した。

蔡英文総統は開会式の祝辞で、「2020年は新型コロナウイルスのパンデミック、香港の民主化運動、米国の大統領選挙など重大な事件、イベントが相次いだ。これらは、台湾の地域における今後の地政学上の対応に重大な影響を与えるものだ。香港の民主活動家3人(黄之鋒、周庭、林朗彦の3氏)が逮捕されたことは我々に対する大きな警告だ。我々が民主主義を守らなければ、権威主義の脅威に屈することになる。伝統的脅威と非伝統的脅威が同時にもたらす厳しい挑戦を前に、台湾はすでに準備を整えている。例えば台湾と米国が締結した「グローバル協力訓練枠組み(GCTF:Global Cooperation Framework)」という重要なプラットフォームに、日本が2019年に正式なパートナーとして加わったほか、スウェーデン、オーストラリア、オランダが特定のテーマで開催されるワークショップに参加している。今後、この枠組みはこの地域における協力のハブとなり、その専門性と影響力を発揮し、今後の挑戦に効果的に対応できるようにしていきたい」と語った。

なお、シンポジウムでは、オバマ米政権下の国務省で東アジア・太平洋担当の国務次官補を務めたカート・キャンベル(Kurt Campbell)氏が、リモート参加で開会の基調講演を行った。キャンベル氏は講演で「米国のアジア太平洋政策が継続性を持つことが非常に重要だ。バイデン政権は今後、日米豪印戦略対話(QUAD。非公式な戦略的同盟を組んでいる日本、米国、オーストラリアおよびインドの四カ国間における会談)をより安定且つ活発なものとする必要がある。米国はまた、改めて国際組織に参加し、その指導力を発揮しなければならない」などと主張した。

また、「米国は台湾海峡両岸の緊張の緩和と一定程度の対話の再開を期待しているが、これは米国の能力の範囲を超えており、しかもボールは北京側にある。米国が目指すのは、台湾に対する約束を守ることだ。それには台湾の民主主義、台湾海峡ひいてはアジア全体の安全保障を守ることが含まれる。米国の政界は安定した台米関係を維持することで得られる戦略的利益の大きさを深く理解している。アジア太平洋政策のうち、トランプ政権が成功した部分については、バイデン政権でも受け継がれていくよう期待している」と語った。

さらに、ロバート・メネンデス上院議員(民主党)もあらかじめ録画していた動画で、ランチタイムセッションに基調講演を行った。メネンデス上院議員は「自由で開かれたインド太平洋地域を目指すことは極めて重要だ。アメリカの『自由で開かれたインド太平洋』戦略には近い理念を持つ国々との協力が不可欠だ。それには台湾、日本が含まれる。米国の、安全保障を含む、台湾に対する根強く、党派を超えた約束は、台湾の国際参与の拡大や国交樹立国との関係維持を支えている」と強調した。