鎌倉市議会日台友好親善議員連盟会長の松中健治議員がこのほど、神戸市会議員(前鎌倉市議)の上畠寛弘氏が文案を作成した「国際刑事警察機構」(ICPO)への台湾の加盟を支持し、「日本国と台湾の犯罪予防並びに犯罪捜査について連携協力することを求める意見書」を議会に提出した。自民党をはじめ共産党や公明党の賛成多数により12月18日、可決した。
松中議員は、「台湾は鎌倉市にとっても大切な国。台湾のICPO加盟は法の支配や人権を守るためにも当然である。可決した意見書は国に届けたい。私達は決して中国には屈しない。コロナ収束後には台湾の皆さんにはまた鎌倉を訪れて頂きたい」と表した。また、上畠寛弘氏は「鎌倉市議会はこれまでも数多くの台湾を支持する意見書を可決してきた。意見書文案作成に携わることが出来て元鎌倉市議として誇りに思う」と話した。
「以下、地方自治法第99条の規定により提出した意見書の内容」
国際刑事警察機構(ICPO)は、世界各国の地域警察機関の相互協力の確保と促進を目指す国際機構であり、世界の警察組織が共同で国際犯罪の対応や防止に取り組むための情報の収集と交換、犯罪対策のための国際会議の開催、逃亡犯罪人の所在発見と国際手配書の発行、各国警察の捜査能力向上のためのトレーニングの計画及び実施などを主な活動としており、最重要かつ最大の協力プラットフォームである。現在のグローバル化する世界において犯罪はボーダーレス化し、またインターネットの発展に伴い、インターネットが犯罪の温床となっている事例も存在する。法の支配と人権を守るため、国際社会が連携して犯罪に立ち向かうことが求められる中において、地理的空白は決して生じさせてはならない。
現在、ICPOへの台湾の加盟は、台湾が希望しているにも関わらず実現していない。このことは、決して台湾の人々だけの問題ではない。日本と台湾の間の往来は、令和元年は年間延べ710万人を超えており、台湾の在留邦人数は2 万人を超えている。これにより、日本国民にとっても大きな影響がある問題である。さらに台湾を離着陸、または経由する旅客が6900万人近く存在することを踏まえれば、これまでも鎌倉市議会として意見書を提出し、台湾の加盟を支持してきた世界保健機関(WHO) や国際民間航空機関(ICAO)と同様に、ICPOへの台湾の加盟が速やかに実現されるべきである。
また、台湾のICPO加盟の実現には障壁があったとしても、少なくとも日本国と台湾の警察間における犯罪予防、犯罪捜査の連携は、双方の人権と法の支配を守るためにも必要な取り組みである。警察庁をはじめ関係機関に対し、①日本国は国際刑事警察機構の台湾の加盟を支持し、加盟のための具体的支援をすること。②日本国と台湾の警察機関が、犯罪予防並びに犯罪捜査など、必要な連携協力をすること、などを要望した。