英国、TPPに加入要請、台湾も「TPPへの参加を検討」~なおも中国は牽制

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英国、TPPに加入要請、台湾も「TPPへの参加を検討」(ウィキメディアから)

 英国は2月1日、日本が主導する環太平洋連携協定(TPP)への参加を正式に要請した。同じくTPPへの参加を狙う台湾の外交部は、同2日の記者会見で「時期を見計らいTPPへの加入申請を行う」と表明した。

 英トラス国際貿易相はこのほど、今年のTPPの輪番議長国を務める日本やニュージーランドとオンライン会談を行い、意見を交換した。欧州連合(EU)から離脱した英国は「TPPを通じて新たな貿易関係を築くことを目指す」とし、加盟交渉は年内に始まる見通し。

 一方、台湾外交部の歐江安報道官は「TPPへの加入は台湾政府の重大な政策」と説明。台湾は目下、加盟各国との非正式な交渉を行っており、台湾行政院の鄧振中政務委員は、台湾加盟に関する主要な議題に関し「台湾が日本食品の禁輸を維持している現況に日本側が関心を持っている」と話した。

 なお、これを前に中国国務院台湾事務弁公室の朱鳳蓮報道官は、2020年12月16日の記者会見で、台湾のTPP参加に対し「一つの中国の原則に基づいて処理しなければならない」と述べ牽制した経緯がある。

 TPPは当初、アジア太平洋経済協力会議(APEC)で米・オバマ大統領(当時)の提案によって成立された組織。日本の加盟は2013年から。当時は12カ国だったが、トランプ政権時の2017年に米国は離脱し、現在11カ国に至っている。