台湾行政院農業委員会農糧署は5月5日、同委の農産物認証制度「適正農業規範(TGAP)2020 PLUS」の認証を受けた台湾産バナナを、台湾内の無印良品全店舗で販売すると発表した。5月末までの期間限定。同委は認証を取得したバナナを東京五輪・パラリンピックに供給する予定だが、大会開催の可否が不透明のため、国内での先行販売を決めた。「農家の利益を確保したい」としている。
TGAP 2020 PLUSは、生産や出荷の安全、安心を保証する農家に農業委が与える認証。同認証を受けたバナナは2020年、大会組織委員会の認可を受け、東京五輪・パラリンピックに供給可能となっていた。このほか、同認証を取得したパイナップルやマンゴー、ドラゴンフルーツについても今年3月、調達基準を満たすものとして組織委から認められている。
農糧署は5月5日、新北市内で台湾無印良品と共同で記者会見を開いた。胡忠一署長は「キャンペーンの実施は東京五輪が今年開催できるか不透明であることが関係している」と説明。農業委によると、台湾内の無印良品全54店舗で計12トン以上を販売する見通し。また、胡署長及び同署の担当者は「現時点での販売予定は、同認証取得のバナナは450トン。7~9月には1320トンを販売したい」とした。無印良品の店舗に限定せず、その他のチャネルとも販売について交渉していくという。なお、無印良品の店舗では1束2本入りを39台湾元(約152円)で販売する。