日本が台湾にワクチン提供~「しっかり検討」茂木外相

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ワクチンの接種を受けるの様子(写真提供:中央社)

日本政府は5月28日、英アストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチンを台湾に提供する方向で検討している、と発表した。これを受け、台湾中央感染症指揮センターの陳時中指揮官は同28日午後の記者会見で、ワクチンが台湾に入ってくることは「もちろん歓迎する」と述べ、「時期は早いほうがいい」と早期の実現を願う考えを示した。

新聞報道機関は同28日付で、「複数の日本政府・自民党関係者の話」として、日本政府が国内供給用に調達するアストラゼネカのワクチンの一部を台湾に提供する方向で検討していることが分かったと報じた。早ければ6月にも提供の実現を目指すと伝えた。

茂木敏充外相は同28日午後の記者会見で、台湾へのワクチン提供について、東日本大震災発生時に台湾からいち早く義援金が寄せられたことに言及した上で、台湾のワクチンの生産体制が「7月くらいにはかなり整ってくると思うが、それ以前の段階ではワクチンが不足している状況にあると思う」とし、生産地の状況や日本との関係などを考えながら「しっかり検討していきたい」と述べた。

これを受け、蔡英文総統は同28日、自身のツイッターを更新し、「謝意」を表明。台湾と日本の絆について「ワクチンが人々に免疫力を与えるように、民主主義国家同士が協力を通じてお互いのガバナンスを強化できることを示しています」との考えを示した。また、コロナ禍という難局を「支え合ってともに切り抜けようという姿勢がこれまでにも増して鮮明になった」と喜び、「その深い友情に心から感謝します」と締めくくった。