G7の外相会合が4月5日、共同声明を発表し、世界保健機関(WHO)への台湾の参加を支持した。同時に台湾海峡の「平和と安定の重要性」を強調した。これを受けて台湾外交部は4月6日、公式SNSで「G7外相会合が台湾を言及したのは初めて」と発信し「我々の新型コロナ対策の評価に感謝したい」との意を表した。
英ロンドンで2年ぶり開催されたG7外相会合は、3日間の会議を終えて閉幕。共同声明で台湾問題に言及するのは2006年以降で初めて。
一方、中国による東シナ海・南シナ海の問題に対しては強い懸念を表明。「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調し両岸問題の平和的解決を促す」と明記した。なお、台湾海峡問題に言及したのは今年4月の日米共同声明以来で、豪州国立大学アジア太平洋学群の学者宋文笛はBBCの取材に対し、中国への牽制(けんせい)と判断した。
このほかの声明では、中国政府による新疆(しんきょう)ウイグル自治区における「人権侵害」や香港での「民主派排除」を受け、「人権および基本的自由を尊重するよう求める」とした。これに中国政府は「強く非難する」とし「公然と中国の内政に干渉している」と激しく反論した。
今年のG7はイギリスが議長国を務めた。米国、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本のメンバー7ヵ国の外相と欧州連合の外務・安全保障政策上級代表が参加。韓国、インド、オーストラリア、南アフリカの外相、そして今年東南アジア諸国連合の議長国を務めるブルネイの外相もゲスト国として招かれた。